2017年5月29日19:26
韓国富士通と富士通フロンテックは、韓国のクレジットカード会社であるロッテカードが展開する決済サービス「Hand Pay サービス」に手のひら静脈認証「FUJITSU 生体認証 PalmSecure(パームセキュア)」を提供し、ロッテカード会員向けカードレス決済システムを実現したと発表した。
「PalmSecure」は、手のひらの静脈情報をイメージの形態で保存するのではなく、静脈のパターン情報を解読が不可能なデータに変換したうえで暗号化する。ロッテカードの「Hand Pay サービス」のシステムでは、暗号化されたデータを韓国 金融決済院のバイオ情報分散管理センターとロッテカードのシステム環境に分散保存したことで、セキュリティをより強化したそうだ。
「PalmSecure」は、皮下組織にある静脈中の還元ヘモグロビンが近赤外線を吸収して黒く映し出される特性を利用して、個人ごとに異なる静脈パターンを識別して認識を行う。手のひらの静脈は、指先より血管本数が多く、体毛や色素による影響もほとんどなく、双子でも判別が可能で、人種、年齢、性別に関わらず高い認証が可能であるという。
また、静脈パターンは変わらないため、一度登録すれば再登録なしで利用することができる。さらに、体内情報であるため改ざんやなりすましに強く、非接触で認証できるため衛生面でも優位性を持っているとしている。
なお、韓国富士通は、2015年に新韓銀行のセルフバンキング窓口である「SHINHAN YOUR SMART LOUNGE」の非対面手続き用デジタルキオスクに「PalmSecure」を適用し、韓国初の生体認証による金融事例を構築した。続いて、韓国2番目の生体認証ソリューションとなるカードレスでの非対面取引サービスをウリ銀行の新しい非対面チャネルである「Wibee Smart Kiosk」へ提供している。さらに、KB国民銀行に手のひら静脈認証を使ったATMおよび貸金庫向け本人確認サービスを、NH投資証券様向けに証券業界初となる本人認証サービスを全国営業網に導入している。