2017年6月6日12:29
スクデットはこのほど、同社が販売する決済の不正対策システム「ACI ReD Shield」のユーザ向けに、「決済不正チェック業務代行」サービスを新たに提供すると発表した。スクデットはこのサービスを核としてBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を新規展開する。
また、MVNO(SIMカードによる通信事業者)、スマートフォンの『FREETEL』ブランドを展開するプラスワン・マーケティング(POM)が「決済不正チェック業務代行」サービスの採用を決め、ファーストユーザとなった。POMは、決済代行会社としてGMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)を利用し、GMO-PGは加盟店向けに「ACI ReD Shield」を不正防止サービス(ReD)として決済代行のオプションとして提供している関係からスクデットの「決済不正チェック業務代行」サービスの利用が決まったそうだ。
スクデットは以前より、「ACI ReD Shield」を導入するユーザ向けにコンサルティングサービスを提供していたが、検知された不正の目視などのオペレーションが社内では対応できないというユーザ企業が多く、スクデットでオペレーションを請け負ってもらえないかという声があったという。決済不正検知システムを利用しているユーザ企業は多いものの、本来業務と異なる不正のチェック業務を社内に抱えることに懸念を持つ企業は多く、今回こうしたユーザ企業の要望に応え、日本市場向けに業界で初めて「決済不正チェック業務代行」サービスの提供を開始した。
具体的には、日々発生する「ACI ReD Shield」による不正判定結果のデータをスクデットにて目視をして1次判定を実施し、その判定結果をユーザへフィードバックする。ユーザーは1次判定結果を確認するのみなので、短時間で最終的な判断をすることができるという。スクデットではこれまでの実績・経験を踏まえ、この業務向けに特別にトレーニングされた人材が業務を担当するため、判定精度も業務開始当初から早期に上げ均一な品質を提供し、ユーザは不正防止の成果を得ることが可能となる。
ターゲットとなるユーザーは、EC中心に拡大している大手流通販売・サービス企業で、社内でスクリーニングを実施する余裕がない、不正チェックのノウハウがない企業を中心に展開する。費用感としては、業務の範囲・内容によるが1カ月1万件程度のトランザクションで不正対策専門コンサルタントによる業務代行を60~100万円(税別)で提供する。
これにより、不正チェックの業務をサービス導入時からスクデット社内の不正対策の専門コンサルタントに任せることができる。同時に、不正検知ルールのチューニングやルールの精度の向上を定期的に行い、検知率の向上を目指す。ユーザ企業の担当者は、本業であるECサイト事業の売上向上に集中することができ、不正対策チームを社内におく必要がなくなるそうだ。
なお、POM社が展開する『FREETEL』ブランドは、SIMフリースマートフォン、SIMカード、アクセサリーなど比較的高額な商品をネット経由で販売している。同サービスの導入前は、カード会社からの連絡で不正利用が通知されると、同一のカード番号が利用されていないかなど、社内のリソースでスクリーニングを行っていた。
しかし社内リソースを不正対策に充当することが問題と認識していたPOM社は、決済代行業務を委託しているGMO-PG社に相談し、同社の不正防止サービス(ReD)の利用とともに、「決済不正チェック業務代行」サービスをファーストカスタマーとして利用することを決定した。2017年2月初旬より利用開始したところ、スクデット不正専門家チームは、初日から不正を見抜き、2月の1カ月間で合計数百万円の不正を防止することができたという。
同サービスを利用することにより、これまでの社内オペレーションでは検知できなかった同一ユーザによる複数カード番号を利用した手口などに対して、対抗できるようになった。