2017年9月26日8:06
100ポイントで投信の買付ができるサービスにより、投資を始めやすい環境を整備
楽天証券は、楽天グループの各サービス利用で貯まる「楽天スーパーポイント」で、投資信託の買付もしくは買付代金の一部に充てることができる「投資信託ポイント買付サービス」を開始した。国内のインターネットポイントで屈指の利用者を誇る楽天スーパーポイントを1ポイントから投資信託の買付に利用できることにより、 投資初心者や資産形成層の利用につなげていきたいとしている。
1ポイント=1円として、1円単位で利用可能
これまで投資に触れてこなかった層を取り込むことが可能に
「投資信託ポイント買付サービス」は、「楽天スーパーポイント」もしくは「楽天証券ポイント」で、1ポイント=1円として、1円単位で利用可能だ。楽天スーパーポイントの利用可能上限は、1注文30,000ポイント、1カ月100,000ポイントとなっている。同サービスの利用は、楽天証券の口座開設が必要だが、楽天会員で登録されている情報を元に資料請求または、オンライン上で、申し込みが可能となっている。
楽天証券は、 225万口座、預かり資産4兆円(2017年3月末時点)と、ネット証券第2位の規模を誇るが、従来の投資信託利用者は、投資経験者が中心だった。楽天証券 アセットビジネス事業部 服部由実氏は、「そういった利用者に加え、初心者の方、一般消費者に投資信託をはじめていただきたいと考えました。ポイントはタダで獲得できるものであり、手元の資金を出していただくよりも不安な気持ちを取り去ることができ、投信のハードルを下げる期待があります。かつ、ポイント買付のサービスを始める前に、投資信託が100円から購入できる『100円投資』を開始しており若い方々が資産形成の第一歩を踏み出す環境を整えてきました」と説明する。
ポイントで投資信託が購入できるスキームは国内初であったため、楽天証券の担当弁護士、金融庁などの関連省庁と議論を重ねた上で、サービスが実現した。
「期間限定ポイント、他ポイントから交換して保有している楽天スーパーポイントが使えないなどの制約はあるものの、1対1で買い付け金額として充当するスキームとしました」(楽天証券 アセットビジネス事業本部 アセットビジネス事業部 リーダー 奥山友美氏)
楽天証券には、独自のポイントサービスである「楽天証券ポイント」があるが、既存の利用者が中心だ。また、「楽天証券ポイント」を楽天スーパーポイントに交換する人も多い。楽天スーパーポイントは1億人以上の楽天会員が保有する身近なポイントサービスであり、これまで投資に触れてこなかった層を取り込むことが可能だ。
楽天グループのシナジーを高める意味でも重要に
現金と同じく充当して投資信託が購入できる
楽天スーパーポイントは貯まりやすく、使いやすいポイントだが、「従来のお買い物に加え、金融商品に投資していただくことで、楽天スーパーポイントの価値もさらに高まると考えます」と服部氏は話す。楽天では、楽天会員に向けて、「楽天ポイントクラブ」のサイトでのバナー告知、メール配信などで訴求しているそうだ。
現在、ポイントで投資信託を購入できるのは楽天証券のみ。注文フローは通常の買付と同様で、ポイントを現金と交換し、買付代金に充てることができる。ポイントを使って投資ができるので、未経験者にとっての投資のハードルが下がりそうだ。
「投資信託ポイント買付サービス」では、初動として、多くの楽天会員の利用がある。また、投資信託をはじめて経験する人も今後増えてくると想定している。さらに、利用動向として、「100円単体の方は少なく、複数ファンドを買付しているケースもあります」と奥山氏は語る。
楽天スーパーポイントは規模の面からの優位性は高い
初心者にもより目を向けてもらえる投資コンテンツを提供へ
なお、今後は他の証券会社でも投資信託の買付に利用できるサービスを行う可能性もあるが、「楽天スーパーポイントが利用できることは、規模の面からも優位性が高いと考えています」と奥山氏は話す。
今後は、まずはポイントをフックに投資を始めやすい環境を整備してまいります。楽天証券では、 NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の普及などによって、投資初心者や資産形成層が増えており、初心者向けの投資コンテンツやサービスの拡充を図ってきたが、「まずは、楽天スーパーポイントが利用できる利便性に加え、初心者にもより目を向けてもらえる投資コンテンツを提供していきたいですね」と、服部氏は意気込む。