2018年2月8日21:56
Visaは、2018年2月6日、2017年の旅行・観光に関する同社の総合調査の結果を発表した。Visaの世界旅行意識調査「Global Travel Intentions Study」は旅行者の旅程のさまざまな場面に焦点を当てたもので、旅をする主な動機がストレス発散であることが分かったという。一方で、旅行時には、現金の確保、持ち運び、両替など、不安やストレスにつながる要素があることも示された。
27の国・地域からの海外旅行者を対象とするこの調査では、旅行の動機や計画に関することのほか、2018 年も続きそうなさまざまなマクロトレンドも明らかになった。旅行期間はグローバル平均で8泊となり、2013年の平均10泊から減少した。また、世界中で旅行の計画が増加しており、過去2年間の平均2.5回に対し、今後2年間の旅行計画は2.7回に増加している。過去2年間の旅行回数はアメリカ大陸がトップで、2017年の平均は3.2回だった。
また、旅行者の 88%が海外でオンラインにアクセス。半数近く(44%)が、渡航先でライドシェアアプリを活用している。さらに、世界全体で11%の旅行が複数国を訪問する旅行となっている。
世界全体で過去 2 年間に旅行者に人気の高かった渡航先は、日本がアメリカを抜いてトップとなった。ただし、これには地域的な偏りが見られ、特にアジア太平洋地域からの旅行者が顕著となっている。アメリカの旅行者にはヨーロッパ大陸が人気だが、メキシコ、カナダ、日本も訪れたい渡航先となっている。
出費に関して、予約や渡航先での支払いを含む全旅程の出費額ではサウジアラビア人がトップで、次いで中国人、オーストラリア人、アメリカ人、クエート人が上位5位となった。
旅行の計画段階や渡航先でテクノロジーを活用する旅行者が増えているが、このような目的でテクノロジーを活用した旅行者は2015年には 78%だったが、2017年には 83%に増加した。一方で海外での支払いに関してはまだ大多数がアナログな手法にこだわっている。
旅行中にカードを利用する人が多い一方で、ほとんど(77%)の人が支払いには現金を利用している。また、海外旅行での現金の使用についてはさまざまな点が明らかになった。まず、回答者は、旅行時のお金に関する最大の不安として、現金の紛失、盗難を挙げている。また、世界全体で、旅行1回あたりの平均支出は1,793米ドルで、渡航先に持ち込まれる現金の中央値は 778 米ドルと非常に高額となっている。さらに、現金を多く必要とするために、72%の人が出発前に外貨を用意している。
そのほか、現地のATMで現金を引き出す人は 1 割強にとどまった。ATMのセキュリティに対する不安は調査の結果にも現れており、5人に1人近くがATMを使いたくない理由に挙げた。ヨーロッパ、中東、アフリカからの旅行者の間では他の地域からの旅行者と比べると現地での現金引き出しがより一般的だった。また、87%もの人が旅行後に余った外貨を持っている一方で、自国で使える通貨に再度両替した人は29%となった。世界全体で余った外貨の中央値は123米ドルとなる。