2018年5月16 日15:30
海外戦略の切り札となるCtrip初の国外向けカード
発行開始に合わせ、キャッシュバックキャンペーンを展開
中国最大手のオンライン旅行会社、Ctripは、三井住友カード、銀聯国際と提携し、2018年6月6日より「Trip.comグローバルカード」の発行を開始。11月末までの入会者を対象に、利用金額に応じて最大5,000円をキャッシュバックするキャンペーンを実施する。Trip.comは、海外戦略に力を入れているCtripのグローバルブランド名。「Trip.comグローバルカード」の発行によって日本のオンライン旅行取引市場への本格参入を図る。これに際してCtripは、5月15日、東京・霞が関ナレッジスクエアにおいて、日本国内新事業戦略発表会を開催した。
日本を足掛かりに海外市場拡大を狙う
日本人の海外旅行を質の高いサービスでサポート
Ctrip.com International,Ltd.(以下、Ctrip)は、65%以上のシェアを占める中国最大手のオンライン旅行会社。世界22都市でインターネットを通じた旅行サービスを提供しており、2017年11月に、ブランディング戦略の一環として、中国国外でのグローバルブランド名をTrip.comとした。
海外市場の拡大を目標としているCtripはかねてより日本での販売強化を検討していたが、このたび三井住友カードがこの事業戦略に賛同し、提携に至った。Ctripが中国国外で提携クレジットカードを発行するのは初めて。中国やアジアを中心とした海外旅行シーンで便利に利用できるよう、カードブランドは銀聯(UnionPay)とした。
2019年3月末発行分までは通常2,160円の新規発行手数料を無料とするほか、2018年11月末までの入会者を対象に、利用金額に応じて最大5,000円をキャッシュバックするキャンペーンを展開して入会を募る。入会申込は、Trip.comサイト内のカード紹介ページから、三井住友カードのオンライン入会ページにリンクして行える。
新事業戦略発表会の主催者挨拶で登壇したCtripのCEO、孫潔(ジェーン・スン)氏は、「海外市場の拡大がCtripの大きな目標。中国で人気のサービスを日本でも提供したい。日本人が海外旅行を計画する時に真っ先に想起されるブランドにしたい」と意気込みを語った。現在、同社のコールセンターでは90%の電話に20秒以内に対応しているというが、日本語による電話サービスも365日24時間対応で行っていくという。
カード会員への優待サービスとしては、ホテル予約で使える割引コード(入会時10%割引、誕生日6%割引、GW・お盆・年末年始のシーズン5%割引)の配布、各種セールの先行案内、提携施設タイアップサービス、海南航空優先チェックイン、最高2,000万円の海外・国内旅行損害保険などがある。また、三井住友カードのワールドプレゼントポイントが、利用金額1,000円当たり1ポイント付与される。
三大ブランドが手を組んでアジアから新しい価値を発信
旅行市場活性化に貢献するカードに
続いて登壇した銀聯国際有限公司 副総裁の王立新(ワン・リーシン)氏は、「銀聯は国際進出に当たってさまざまな企業と協力してきたが、今回のCtripとの提携によって銀聯に旅行関連の新しい魅力が加わる。現在日本では免税店、百貨店をはじめ70万店で銀聯カードが使えるが、『Trip.comグローバルカード』によって銀聯が日本人の生活により溶け込んでいくことになるだろう」と語った。
三井住友カード 代表取締役社長の久保健氏は、「Trip.com、UnionPayという旅行、決済の二大ブランドとタッグを組んで、アジアから新しい価値を発信していけることに喜びを感じます。『Trip.comグローバルカード』は頻繁に海外を訪れる旅行客やビジネスマンに大きなメリットをもたらすクレジットカードとなるでしょう。日常的にカードを使いながら旅の楽しみが膨らむ、そういうカードに育つことを期待しています」と展望を語った。
また久保氏は、日本において2015年にインバウンドとアウトバウンドの旅行者数が逆転し、現在はインバウンドが優勢であることに言及。一層のインバウンド活性化のためにも、アウトバウンドを活気づけることが必要で、「Trip.comグローバルカード」がその一助になるだろうと述べた。「日本のカード会員のアジアでの素晴らしい体験を応援したい。また将来的には、Ctripのお客様に、日本にたくさん来ていただけるように、インバウンドの側面からの新たな提携も模索していきたいと考えています」と語った。