NIPPON Platformが情報銀行事業に参入、決済サービスは台湾の「JKOPAY」と提携

2018年9月26日8:10

キャッシュレスソリューションを提供するNIPPON Platformは、2018年9月25日、個人情報データを預かり民間企業に提供する仕組みである情報銀行事業に参入すると発表した。同社では、同日にNIPPON PAYから社名を変更。また、台湾のスマートフォン決済ブランドである「JKOPAY(街口支付)」の日本展開パートナーとなることも発表された。

中央がNIPPON Platform 代表取締役社長 高木 純氏、一般社団法人人工知能学会 会長 浦本直彦氏(左)、東京大学 大学院情報理工学系研究科 ソーシャルICT研究センター教授 橋田 浩一氏(右)

NIPPON Payから社名を変更
2019年5月までに10決済ブランドを追加

NIPPON Platformは、「日本をキャッシュレス化する」をビジョンに掲げ、タブレットの配布、マルチ決済サービスの提供などを行っている。NIPPON PAYからNIPPON Platformへの社名変更により、「中小個人商店を中心とするおみせ活性化を起点とした地域創生・地方創生の実現」をビジョンに追加し、そのためのプラットフォームになることをミッションとしていきたいとした。なお、社名変更後もNIPPON PAY、NIPPON Tabletのブランドは継続する。

参加者にはNIPPON PAYのこれまでの歩みが書かれた漫画が配布された

現在、日本では、数多くのスマートフォン決済ブランドが生まれており、今後さまざまな静的QRコードが店舗に掲示されると予想されるが、同社では動的QRコードによりQR決済を推進していく方針だ。

NIPPON Platform 代表取締役社長 高木 純氏は、NIPPON Tabletの端末には、ソフトウェアと通信SIMカードがインストールされており、今後、新たな決済サービスを遠隔で追加したり、タブレットに新規の広告を表示させることが可能だという。

タブレットを提供するNIPPON Tabletでは、主に120万店舗のレジ未更新市場をターゲットとしているが、現在、Amazon Pay、d払い、pring、PAYなどの国内のサービスに加え、中国人向けのモバイル決済サービスに対応している。それに加え、台湾の街口電子支付股份有限公司が展開する「JKOPAY(街口支付)」との提携も発表した。

現在も決済サービスの拡充が着々と進んでおり、2019年5月までに10決済ブランドを追加予定だ。また、店舗向けプラットフォームに関しても2019年5月までに20社との連携を予定している。

決済などのデジタルデータから新たな収益モデルを創造へ
2019年4月3日にはNIPPON Social Bankを設立へ

同社がターゲットとする120万店舗では、タブレットの活用により、「いつ、どこで、いくらの購買がされたのか」という、これまで見えていなかったデータが蓄積可能だ。そのデータをベースに情報銀行事業を開始する。まずは、店舗データの信託運用事業からスタートする予定だ。店舗データから開始する理由として、個人データは数が多く細かいが、店舗データはすでにまとまっており、同意がとりやすいことを挙げた。

9月25日には、国内の金融機関が従来の役割を果たしつつも、「キャッシュレス化推進により取得できるデジタルデータから新たな収益モデルを創造する」ことを目的として、「情報信託銀行」コンソーシアムを設立した。「情報信託銀行」コンソーシアムでは、現在、設立の趣旨に賛同してもらえる金融機関および金融機関に関係する企業等の入会を呼びかける。そして、2019年4月3日には、NIPPON Social Bankの設立し、本格的に事業を開始する予定だ。

店舗解析サービス「おみせアナリティクス」を発表
来店者の人数、性別、年代、時間帯などの把握が可能に

NIPPON Platformでは、120万店舗の情報活用に向け、店舗解析サービス「おみせアナリティクス」を発表。店舗に小型カメラを設置してもらうことで、人工知能を活用し、来店者数、性別、年齢、日時、時間帯、曜日別などの情報を把握できるという。

同社では、9月26日~12月31日まで、解析データを研究データとして活用することに同意してもらえれば、店舗用カメラサービス「NS Cam」の利用料(月額500円・税別)と設置費(3万円・税別)がすべて無料となる実証実験キャンペーンも行う(1店舗2台まで)。

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