主要な決済・共通ポイントに1台で対応するハイセキュリティな「PAYGATE Station」発売(ロイヤルゲート)

2018年11月2日8:30

ロイヤルゲートは、2018年12月7日から、Android OSによるモバイル型マルチ決済端末「PAYGATE Station」の発売を開始すると発表した。「PAYGATE Station」は、国内で展開されているさまざまな支払い方法、ポイントサービスに対応するとともに、決済端末として最高水準のセキュリティを誇るそうだ。

左からGMOフィナンシャルゲート 取締役会長 ⾼野 明氏、同社 代表取締役社長 杉山憲太郎氏、NTT ドコモ 担当部長 伊藤哲哉氏、楽天  楽天ペイ事業部 シニアマネージャー 中村龍信氏、ビザ・ワールドワイド・ジャパン デジタル・ソリューション&ディプロイメント ディレクター 今田 和成氏、ロイヤルゲート 代表取締役 梅村圭司氏、トレンドマイクロ 上席執行役員 大場章弘氏、LINE Pay 取締役 COO 長福 久弘氏、PayPay 取締役副社長執行役員 COO 馬場 一 氏、ロイヤリティ マーケティング 上級執行役員 営業統括グループ長 野田 和也氏

テーブル決済や軒先決済も可能に
3年間で10万台の販売を目指す

ロイヤルゲートが販売開始した「PAYGATE Station」は、スタンドアロンでの利用に加え、店舗内でのテーブル会計、宅配やイベント等の出先決済などが可能だ。11月1日に行われた記者説明会で、ロイヤルゲート 代表取締役 梅村圭司氏は、「3年間で10万台の販売を目指したい」と意気込みを語った。

端末はホワイトとブラックの2種類販売

端末には、磁気、IC、ピンパッド(暗証番号入力)、FeliCa、NFC、QRコード、バーコードなどの機能を装備。接触・磁気のペイメントカード決済、「Visa のタッチ決済」に代表される非接触ICクレジット決済、FeliCa系の電子マネー、「d 払い」「LINE Pay」「楽天ペイ(アプリ決済)」「PayPay」等のモバイルバーコード/QRコード決済(インバウンド決済も含む)に対応している。また、「Ponta」「dポイント」「楽天ポイントカード」といった共通ポイントサービスの利用も可能だ。

「PAYGATE Station」の概要

現段階でも数多くのサービスが利用できるが、Androidベースのため、今後登場するサービスも柔軟に追加できる。一方で、Androidはセキュリティ面の懸念が指摘されるが、トレンドマイクロと協力し、端末やサーバのさらなるセキュリティの強化を図った。端末側は、IoT機器向けセキュリティソリューション「Trend Micro IoT Security」を導入。トレンドマイクロ 上席執行役員 大場章弘氏によると、今後は、不正なサーバへの接続防止、マルウェア対策も実装予定だという。また、サーバやクラウドのセキュリティについては、「Trend Micro Deep Security」を導入。ウィルス対策、OS、ミドルウェアなどサーバのセキュリティに必要な機能をクラウド、オンプレミスともに提供可能だ。

クレジットカードは接触、非接触、磁気に対応

PCI P2PEソリューションのプロバイダー認定を取得へ
最新のセキュリティ規格PCI PTS 5.x対応

ロイヤルゲートでは、以前から決済端末「PAYGATE AIR」を提供しているが、最大限のセキュリティ対策を行ってきた。同端末では、SRED(Secure Reading and Exchange of Data)機能でクレジットカード情報を暗号化し、PAYGATE決済処理センターにあるThales(タレス)のHSM(Hardware Security Module)で復号化されるまで、解読されることはない仕組みを採用している。2018年9月4日には、同端末を用いてPCI P2PEソリューションのプロバイダー認定を取得した。同プラットフォームを活用し、「PAYGATE Station」のサービスを提供できるため、加盟店は非保持化やPCI DSS対応の負荷を軽減できる(PAYGATE Station も2019年2月にP2PE認定取得予定)。さらに、ソフトウェア・ピンパットを実装した最新のセキュリティ規格PCI PTS 5.xを取得していることも強みとなる。GMOフィナンシャルゲート 代表取締役社長 杉山憲太郎氏は、PCI PTS 5.xは最新の規格のため、PCI SSCによるセキュリティ認定が2026年4月までのロングライフ対応となるメリットを挙げた。

インターネットAPIでPOSや基幹システムとの連携もスムーズに
さまざまな国際ブランドの非接触IC決済やQR決済にも対応

POSや基幹システムとの連携もサービスを広めるうえでのポイントとなるが、インターネットAPIを用意したことで、従来よりも連携を進めやすいそうだ。さらに、決済ブランドが増えると、精算処理が煩雑になる可能性もあるが、大和ハウスフィナンシャル提供のオプションサービスである「契約・精算おまとめサービス(BPOサービス)」により、精算業務も簡略化できる。

記者説明会には、連携先企業も登壇。ビザ・ワールドワイドでは、オーストラリアをはじめとする主要国ではタッチ決済が主流であり、日本でも2020年の東京五輪に向け、導入を図っていきたいとした。LINE Payは、2018年に100万加盟店を目指しているが、QUICPayとの連携により、92万カ所でLINE Payが使用可能となる予定だ。「PAYGATE Station」は、マルチペイメントやポイント対応が可能な端末として、中型店舗への導入に有効であるとした。楽天は、「楽天ペイ(アプリ決済)」「楽天ポイントカード」「楽天Edy」「楽天カード」を提供しているが、すべてのサービスを同端末で利用可能だ。PayPayは、インド最大の決済サービス事業者であるPaytmのノウハウを活用して、バーコードを使ったスマホ決済サービス「PayPay」の提供を開始したが、ロイヤルゲートはキャッシュレス化を加速させるための強力なパートナーであるとした。NTTドコモは、電話料金合算払いを応用した「d払い」を提供しているが、2018年9月に100万ダウンロードを突破し、10月は140万近くまで伸びているそうだ。また、「dポイントカード」の登録数も約2,800万まで伸びている。ロイヤリティマーケティングの共通ポイント「Ponta」は、2018年9月末で8,833万人の会員数を有しており、直近ではApple PayやLINEウォレットといったカードレス対応も強化している。「PAYGATE Station」は、中小規模のチェーン店へPontaを拡大させることに役立つとした。

国内のアクワイアラと連携して端末の導入を進める
決済センターはGMOフィナンシャルゲートと接続し、CCT端末も視野に

端末の価格は一台7万円だが、同社システム採用時にはより安価に提供する方針だ。ロイヤルゲートではこれまで、クレディセゾン、トヨタファイナンス、ユーシーカード、三井住友カード、三菱UFJニコス、セディナ、住信SBIネット銀行、ジェーシービー、 アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.、三井住友トラストクラブ(ダイナースクラブ)、ディスカバーといったアクワイアラと接続実績があり、各社と連携して端末の導入を進めていく。

なお、決済センターはGMOフィナンシャルゲートと接続する方針だ。ロイヤルゲートでは、同社と2011年から接続しているが、今後は共同でのマーケティング、共同展開を積極的に行う。GMOフィナンシャルゲート 取締役会長 ⾼野 明氏は、「大規模な案件の場合にはCCT(Credit Center Terminal)対応の要望があるため、CCTセンターとしての認定に向けたステップも進めています」とした。なお、クレジットカード会社の案件によっては、他のセンターと接続も検討していく。

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