2018年11月20日8:00
東急不動産、東急リゾートサービス、Tポイント・ジャパン(TPJ)、ネットスターズは、たんばらスキーパーク、ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ、グランデコスノーリゾートなど、東急リゾートサービスが運営する全国のスキー場7カ所において、共通ポイント「Tポイント」および電子マネー「Tマネー」、QR決済サービス「WeChat Pay(微信支付)」および「Alipay(支付宝)」、「LINE Pay」11月23日より順次提供する。11月19日には、たんばらスキーパークにおいて、記者向けに事業説明および体験会を行った。
国内の2人に1人が利用するTポイントのデータを活用
東急不動産及び東急リゾートサービスは、国内のスキー利用者が減少する中、IoT活用をスキー事業において推進することで、スキー場利用者の利便性向上を図ると同時に、顧客データや購買データなどを蓄積・活用することで、より快適に過ごせるスマートスキーリゾートの実現を目指している。その一環として、国内市場へのデジタルマーケティングの展開、アジアなどのインバウンド対応を強化する目的で、TPJとの提携により「Tポイント」および「Tマネー」、ネットスターズと連携して各種QR決済サービスを導入することとなった。
これまで、同社のスキー場では、どういった属性の利用者が訪れているかが細かく把握できていなかったという。今回、利用者のデータを取得するため、国内の2人に1人が利用するTポイントデータを活用する。利用者は、各スキー場のリフト券購入時に、窓口にてTカードを提示すると、200円(税抜)でTポイントを1ポイント貯めることが可能だ。また、Tカードに現金をチャージし、「Tマネー」を利用すると、カード1枚でショッピングポイントと決済ポイントがダブルで貯まる。
東急リゾートサービスでは、T会員の属性データを活用することで、効果的な販促につなげる狙いだ。東急不動産 執行役員 ホテル・リゾート事業本部 本部長 田中辰明氏は、「ライトユーザーに加え、リピーターの方々の特性を掴みながら利便性向上に努めていきたいです」と話す。
2019年春に「モバイルTカード」の導入を予定
Tポイントは、2018年9月末現在、過去1年間のアクティブ・ユニークユーザー6,788万人が利用している。また、1カ月以内でみると4,870万人、1週間以内で3,062万人が利用する。アライアンス企業は、179社94万928店舗を誇る。Tポイント・ジャパン 取締役 佐藤淳氏によると、複数のサービスの利用状況を解析することで、各T会員がどのような志向を持っているのかが把握できるという。また、共通ポイントが使えることで利用、買い上げになりそうな商品を紹介したり、店舗で利用してない潜在顧客を見つけ出し、送客に結びつけることが可能だ。たとえば、ウィンタースポーツ雑誌の購入者に対し、東急リゾートサービスのスキー場を案内するといった施策を打つことができる。
今後の予定として、来春から、スマートフォンでTポイントやTマネーの利用が可能となる「モバイルTカード」を提供することで、スキー場のさらなるデジタル化を支援するそうだ。
「StarPay」でQR決済へのマルチ対応を実現
また、同社のスキー場では、ネットスターズのマルチ決済プラットフォーム「StarPay」を日本で初めて導入する。QR決済は、リフト券の購入に加え、レストラン、売店・レンタルで利用可能だ。ネットスターズ フィンテック事業部 マーケティング部長 大竹口隆氏によると、「StarPay」は1つのアプリで各決済サービスへの振り分けが可能な点が特徴となるそうだ。まずは、「WeChat Pay」「Alipay」「LINE Pay」への対応から開始するが、ネットスターズでは「d払い」「PayPay」「楽天ペイ(アプリ決済)」「銀聯QRコード決済」「郵貯PAY」(予定も含む)といった支払い手段に対応可能なマルチ決済を提供可能だ。
なお、各スキー場では、「nanaco」、「QUICPay」、「WAON」をレストラン、売店・レンタル等で、「iD」、「楽天Edy」、「交通系ICカード」をレストラン券売機で導入している。今回の導入の成果を踏まえ、さらなる決済手段の拡充にも取り組んでいく。