2019年4月24日7:00
三菱総合研究所は、総務省からの請負事業「行政や公共性の高い分野におけるブロックチェーン技術の活用及び社会実装に向けた調査研究」の一環として、大阪市上本町、浜松市、福山市の3地域で同時に社会実験を行い、デジタル地域通貨(通称「地域コイン」)による地域商品券事業への適用可能性とその効果を検証したが、4月23日にその検証結果を公表した。
同実験の目的は、デジタル地域通貨プラットフォームの地域商品券事業への適用可能性とその効果の検証となる。地域コイン発行者は、QRコードと端末を使って商品券に代わる地域コインを発行。その地域コインによる商品・サービスの購入から精算までの一連の流れをブロックチェーン技術で管理し、デジタル化や減価(利用がないとコインの一部を消滅させる機能)による効果を確認した。また、商品券事業のデジタル化による事務コスト削減効果も算出している。実験終了後には、参加者へのアンケート調査を行い、地域コインに対するニーズや課題について分析した。
調査期間は、2019年2月1日~2月28日で、参加者(一般利用者)が396名、参加店舗47名にWebでアンケートした(1施設につき複数回答者あり)。その結果、①減価は消費を促進する効果があり、減価しないグループに比べて3割程度消費を押し上げる、②政令指定都市規模の自治体では、事務コストを半分程度に低減できる可能性がある、③域内のどこでも使えるようになった場合、参加者の6割以上が「普段の買い物の50%以上を地域コインに置き換える」と回答、といった点がわかったという。
三菱総合研究所では、同実験を通じて得られた成果を踏まえて、地域商品券事業への地域コインの適用検討をさらに進めるとともに、転々流通による持続的な地域経済モデルの展望について検討していきたいとしている。