鹿児島銀行のスマホ決済アプリ「Payどん」の目指す世界とは?

2019年9月12日8:00

鹿児島銀行は、2019年6月27日から、スマートフォンを利用した決済アプリ「Payどん」の決済機能提供を開始した。Payどんは、QR/バーコードを活用したスマートフォン決済サービスだ。同行と契約した店舗で買い物代金などを支払時に、事前にアプリに登録した同行の普通預金口座(総合口座含む)や、独自電子マネーから即時に支払いを行うことができる。

鹿児島銀行 営業統括室 ITビジネス推進室 調査役 徳留直人氏

イシュイング、アクワイアリングともに銀行本体が提供
店舗読み取り方式、消費者読み取り方式双方に対応

鹿児島銀行では、“地域密着型金融”への取り組みを進めており、その1つとして決済領域のプラットフォーム構築を掲げている。自ら開発した独自の決済サービスにより、「お客様の声を即座に反映することができることと、決済データを銀行の中で集約して取引先に還元することで、マーケティング支援を行うことが目的です」と鹿児島銀行 営業統括室 ITビジネス推進室 調査役 徳留直人氏は説明する。現在、同行のクレジットカード事業は関連のカード会社を通じて行っており、今年の春には、JCBと連携して、JCBデビットの発行も開始しているが、Payどんは、イシュイング(発行)、およびアクワイアリング(加盟店開拓)も含め、すべて銀行本体で提供するサービスとなる。

QR/バーコード決済の読み取り方式は、店舗読み取り方式の「CPM」と、消費者読み取り方式の「MPM」の双方に対応する。スマホやタブレットを活用する場合は、CPMとMPMの両方に対応可能だ。また、店舗に貼付するMPMのステッカーは10月頃から提供する。MPMに関しては、「鹿児島では、PayPayなどのコード決済を導入されている店舗も多く、フローが確立されており、お客様もすんなり受け入れられると考えています」(徳留氏)。また、キャッシュレス推進協議会が策定した統一QRコードの規格である「JPQR」にも対応する予定だ。

銀行口座からの直結で決済ができる

鹿児島銀行の提供するサービスとして安心感を提供
加盟店手数料は一律1.5%

6月27日のサービス開始時点では、同行の完全キャッシュレス施設となる本店別館ビルよかど鹿児島14か店から導入を開始している。9月からは、鹿児島県を中心に本格的な加盟店開拓を開始。営業については、本部は大手中心、営業店が中小規模の事業者を開拓している。政府のキャッシュレス・消費者還元事業にも登録しており、加盟店のキャッシュレス化を支援していく方針だ。すでにテレビCMで告知したり、銀行の窓口で案内しているが、「加盟店が増えてくれば、ユーザーも伸びると思います」と徳留氏は話す。鹿児島エリアでの同行のシェアは40%後半となり、地元の人々からの信頼も厚い。「鹿児島銀行の提供するサービス」としての安心感も加盟店を開拓するうえでの強みとなる。すでにセミナーなどでPayどんを紹介しているが、地元の加盟店の多くが好意的に受け止めている。

加盟店手数料は一律1.5%。クレジットカードなどに比べて安価な手数料だが、自らサービスを開発しているため、利用が伸びれば、収益面は期待できる。QR/バーコード決済サービス事業者の中には、無料でサービスを提供する企業もあるが、地元で知名度のある鹿児島銀行が行うため、それほど不満はないという。加盟店で決済された金額は、最短翌営業日に入金するが、月に1回、2回の振込の選択も可能だ。

AlipayやWeChat Payへの対応も可能に
口座振替に加え、電子マネーチャージも準備

Payどんアプリでは、AlipayやWeChat Payといったインバウンド決済サービスの導入もできる。徳留氏は、「AlipayとWeChat Payは、インコム・ジャパンがアクワイアラとなりサービスを紹介するというスキームに加え、審査の業務委託を弊行が受けます」と話す。また、県外からの訪問者に対しては、オールバンクのスマホ決済サービス「Bank Pay」にも対応する予定だ。

徳留氏は、「現在は口座直結型をベースに展開していますが、口座をお持ちでない方への対応として、ATMでのチャージなども検討していきたいです」と述べる。クレジットカードからのチャージは選択肢の1つとしては考えているが、手数料率の課題もある。そのほか、口座を活性化させるため、目的型貯金などの提供も検討している。年内には送金機能も提供するが、「チャージするときに加え、チャージ金額を口座に戻す時も無料な点が売りとなります」と徳留氏は自信を見せる。

電子マネーによるチャージでの支払いにも対応する

「Payどんポイント」など機能拡充に着手
「事前オーダー決済サービス」、交通と連携したサービスも視野に

さらなる普及拡大に向け、現在はポイントプログラム「Payどんポイント」の開発に着手しており、2020年6~7月頃のローンチを目指している。また、ポイントの交換プログラムも想定。そのほか、自行で展開する強みを生かし、地元企業のクーポン配信機能、観光機能などを付加する予定だ。これにより、鹿児島がさらに活性化することを目指す。将来的には、決済データを活用したビジネスも見据えている。

新たな取り組みとして、2019年8月1日から「事前オーダー決済サービス」の実証実験を実施。また、地元の交通機関と連携し、バスの時刻情報や位置情報などを提供するとともに、将来的に乗車などができるサービスも検討している。

なお、システム開発はインフキュリオンに委託している。決済サービスを提供するうえで重要となるセキュリティ面については、2段階認証を採用したり、QRを都度生成するなど、万全の体制を敷いている。

当面の加盟店の目標として、2022年3月で5,000店の加盟を掲げる。徳留氏は最後に、「鹿児島の人が決済といえばPayどんと名前が出てくるように、選ばれるアプリにしていきたいですね」と語り、笑顔を見せた。

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