2019年11月18日8:00
世界最大級のFinTech(フィンテック)イベントである「Singapore FinTech Festival2019」(主催:MAS (Monetary Authority of Singapore) / SingEx)が2019年11月11日~15日(展示は11~13日)まで、シンガポールのSingapore EXPO Convention Centreで開催された。同イベントでは、展示、カンファレンス、デモデー、FinTech Award、投資家サミットなどが行われた。ここでは、決済関連を中心に展示の模様を紹介する。
シンガポールの大手キャリアであるシンガポール・テレコミュニケーションズ(Singtel)は、「Singtel Dash」をはじめ、タイの「AIS GLOBAL Pay」など、さまざまなモバイルウォレットサービスのアライアンスとなる「VIA(ヴィア)」の決済デモを実施した。日本では羽田空港で利用可能だ。
シンガポールのDBS銀行は、提供するモバイル決済サービス「DBS PayLah」、中小企業 (SME)が顧客やベンダーから即座に資金を受け取ることができるQR決済ソリューション「DBX MAX」を紹介した。
シンガポールのFinTech協会であるSIGAPORE FINTECH ASSOSIATIONのブースでは、「dcubepay」が紹介された。QR決済を使った支払いが可能で、デジタル化により自販機のマーケティングデータを活用できるという。1つのQRコードで複数の支払いに対応している。
OCBC銀行のブースでは、さまざまなポイントプログラムをシームレスに管理できるマルチパートナーロイヤルティプログラムである「STACK」を紹介。複数のポイントプログラムを集約して管理可能だ。
シンガポール銀行協会(The Association of Banks in Singapore:ABS)のブースでは、携帯電話を活用したPeer to Peerの送金サービス「PayNow」を紹介した。
マレーシアのGrabは、スマートフォン決済サービス「Grab Pay」、ファイナンスサービスの「GrabFinance」、保険サービスの「Grab Insure」といった、各種サービスを紹介した。
Liquid Groupは、シンガポールやタイで国境を越えたQR決済を可能とするプラットフォームを提供している。すでにシンガポール・チャンギ空港では、GrabPay、Liquid Pay、Singtel Dash、PayNowなどの支払いが可能だ。
日本企業の展示も目立った。日本のSMBCグループは同イベントに初出展。インドネシアのバンク タブンガン ペンシウナン ナショナル(BTPN)の取り組みに加え、三井住友カードと主に東南アジアにおける決済ソリューション事業での協業など、ASEAN地域の取り組みについて紹介した。
日立製作所のブースでは、「SMART PAYMENT」として、指静脈認証を活用したキャッシュレス決済をPRした。
日本電気(NEC)は、顔認証機能とQRコードを活用したなりすまし防止ソリューションのデモを実施した。
ジェトロ大阪本部と大阪府は、Singapore FinTech Festivalと同時開催した先端イノベーション技術のイベント「SWITCH」に共同出展した。ブースには、大阪を中心としたスタートアップ・中小企業が出展した。
Mastercardのブースでは、自動販売機の完全なターンキーソリューションを提供するquresysの顔認証システムのデモを実施した。顔認証を体験したユーザーにはビールがふるまわれた。
ビザ・ワールドワイドは、「SPORTS STORE」をイメージしたブースを出展。日本の東京・「お台場ヴィーナスフォート」で実施したVRでBMXのさまざまな技とVisaのタッチ決済を体験してもらうコンテンツを来場者に体験してもらった。また、同ブースではTOKYO2020のキャラクター等も展示されていた。