2019年12月5日8:05
JR東日本スタートアップは、2019年12月4日~9日までの6日間、埼玉県さいたま市のJR大宮駅西口イベントスペースで、未来型の製品や商品を体験できるイベント「STARTUP_STATION」を開催している。
JR東日本スタートアップでは、ベンチャー企業などから駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案をオープンに募り、ブラッシュアップを経て提案を実現していくプログラムであるビジネス創造活動「JR東日本スタートアッププログラム2019」を実施している。3回目となった今年は262件の提案があり、21件を採択した。今回の「STARTUP_STATION」では、4件の協業内容を体験可能だ。
ウルトラ自販機で無人駅弁・スイーツ販売、人手不足解消の期待
ブイシンクが開発したウルトラ自販機では、無人駅弁・スイーツ販売を行っている。ウルトラ自販機では、ベルトコンベアの技術を応用した搬送機構により、通常の自販機であると型崩れしやすいものもスムーズに運ばれるという。これにより、駅弁やスイーツも問題なく販売できるとした。大きさ次第となるが、上手に詰めれば100数十個を販売できる。
また、-5度~25度まで、自動販売機で温度調整ができ、賞味期限管理が可能だ。さらに、どの商品が何個販売されたのかをリアルタイムに確認できるため、仮に賞味期限が過ぎると当該商品の販売をストップさせることができる。
JR東日本でも人手を確保するのが難しくなっているというが、その課題を解決できるサービスとして、自動販売機での販売に期待している。ブイシンクの担当者によると、JR東日本の構内では朝から深夜まで約15時間の販売期間があるが、お弁当の販売であれば、常時6~10人を確保する必要があるため、サービスが軌道に乗れば、費用対効果を確保できるとした。
QBIT Roboticsの最先端AI技術を使った無人ロボットパスタカフェもオープンしている。提供メニューは、ミートソースパスタ・カルボナーラソースパスタに加えて、ロボットが顧客のタイプや表情に合わせてソースを選ぶ「ロボットおまかせパスタ」も用意した。消費者は、Suicaにより100円でパスタを購入することが可能だ。
QBIT Robooticsでは、「変なホテル」「変なカフェ」等でロボットによるサービス技術を提供している。今回は、ロボットが人間同様にレンジやポットなどの操作を行い、パスタを提供する。ロボットはデンマークのユニバーサルロボット社の製品となり、同社はソフトウェアを組み込んでいる。今回は2週間でパスタをつくる仕組みを構築。また、カメラで訪れた人の性別、年齢、半径3メートル内で誰がどこに立っているか、どう移動しているかを判別し、コミュニケーションを図っている。
ブランテックインターナショナルは、特許を取得済みの瞬間凍結新技術「HybridICE」を提供している。同技術を活用することで、鮮度を維持したままでの地域鮮魚の流通性を高めるとともに、低コストでの輸送を実現可能だ。「STARTUP_STATION」では、水槽の魚を一瞬で凍らせる技術を披露。魚は冷凍保存などに比べて細胞の組織を壊さずに冷却できることが売りとなり、新鮮なままで流通できるとした。また、流通したカキやエビを試食でき、購入も可能だ。
MIRAI SAKE COMPANYは、AI味覚判定を活用した日本酒レコメンドサービスを提供している。同イベントでは、10種類を試飲できる。消費者にはアプリによるAIの味覚判定により、自身にあった日本酒が勧められる。