2020年3月16日8:00
買取代金の電子マネー受け取りに対応し、顧客利便性向上図る
ブックオフグループホールディングスの子会社で、リユースショップ「BOOKOFF(ブックオフ)」を運営するブックオフコーポレーションは、決済方法の多様化やキャッシュレス決済に対応するため、クレジットカードや電子マネーに加え、8種類のQR/バーコード決済サービスを導入している。一方、買取代金をさまざまな電子マネーで受け取ることができる「スマホで受取コース」を一部店舗(全国125店舗)で開始。支払い、買取の双方でキャッシュレス化を推進し、顧客サービスの利便性を高める。
8種のコード決済に対応
客単価向上への貢献も
ブックオフでは、2019年9月に「楽天ペイ(アプリ決済)」、「Origami Pay」、「PayPay」、「LINE Pay」、12月から「d払い」、「メルペイ」、「WeChat Pay」、「Alipay」と8種類のQR/バーコード決済を導入した。これにより、従来70%だった現金比率が65%程度まで下がっており、インターネットでの支払いを除いたキャッシュレス決済は約30%まで高まっている。バーコード決済対応店舗数は国内のBOOKOFF、BOOKOFF PLUS、BOOKOFF SUPER BAZAAR、BINGOなど586店舗で、対応店舗は順次拡大していく予定だ。訪日中国人向けの「WeChat Pay」と「Alipay」は、利用が拡大するインバウンド需要に対応するため、導入したそうだ。
ブックオフグループホールディングス 経営企画部広報担当マネージャー 小湊貴治氏は、「クレジットカード、各種電子マネー、ブックオフポイントに加え、利便性の高いコード決済を導入することで、会計にかかる作業をスムーズにし、待ち時間を短縮できました。キャッシュレス支払いのお客様の客単価は、現金支払いよりも高くなる傾向にあります」と説明する。
買い取り代金を自宅で受取可能
査定の待ち時間の不満を解消
これに加え、買取代金を「LINE Pay」、「au WALLET プリペイドカード」、「Kyash」、「ドコモ口座」、「ソフトバンクカード」などで受け取ることができる「スマホで受取コース」を一部店舗(全国125店舗)で開始している。
これまで店舗で売った際の代金(買取代金)は、現金受け取りのみの対応だった。ブックオフコーポレーション ITサービス企画部 サービス企画グループ マネージャー 清川貴志氏は「現金のみの場合、お客様は、査定から買取代金の受け取りまで、店舗に滞在するか、もしくは受け取るために再び来店していただく必要がありました。この待ち時間が、お客様の不満につながっていることがアンケートで把握できたため、お客様にお待たせしない手段を検討した結果、このサービスが始まりました」と話す。特に、混雑する土日は買い取り代金の受け取りに時間がかかることが多かったが、このサービスの開始によって、査定時間の待ち時間の解消と、買取代金を好きな決済手段で受け取ることが可能になり、より手軽に品物を売ってもらうことができるようになった。清川氏は「買い取り代金は当日中に通知をしますが、ピークを平準化できました」と成果を述べる。利用者は、買取代金を電子マネーで受け取ることに加え、中央共同募金会(赤い羽根共同募金)にそのまま寄付することも可能だ。
ブックオフでは、ヤマトシステム開発が提供する、企業から顧客への支払いを可能にする「マルチバリューチャージサービス」を採用することで「スマホで受取コース」に対応している。マルチバリューチャージサービスは、企業から個人への支払いにおいて個人の希望するキャッシュレス決済サービスをチャージ先として選択できる仕組みだ。導入にあたり、他のサービスも検討したが、手数料率などの条件がマッチしたという。
「ブックオフ公式アプリ」の稼働も好調
カード会員の2倍以上の稼働実績
2020年3月には対応店舗を拡大するとともに新しい買取代金受取方法も提供する予定だ。これにより、「より多くのお客様にご利用いただけます」と清川氏は期待する。
なお、スマートフォンで利用できる「ブックオフ公式アプリ」の利用者は約130万。CRMの推進効果として、利用者にプッシュ通知が可能なため、カード会員の2倍以上の稼働実績となっている。
ブックオフは、チェーン全体で年間のべ約9,000万人が利用している。将来的には、顧客はもちろん、店舗スタッフのキャッシュレス化のニーズに対応したサービスも検討していきたいとした。
カード決済&リテールサービスの強化書2020より