2020年5月11日8:00
楽天カードは、2020年4月1日から、給与前払いサービス「楽天早トク給与」の申込受付を開始した。同サービスは、企業が導入することで、従業員が給与支給日を待たずに働いた分の給与を受け取れる。
従業員はWebから申し込み、必要なタイミングで給与を受け取り
近年、飲食・小売業界を中心に労働者不足が社会的な課題となり多様な働き方が広がりを見せている。そういった背景から楽天カードでは、「従業員の方々のニーズにマッチした給与受け取り方法を提供することで、企業様の求人応募数の向上やその後の従業員の定着率アップなどに繋がればと考えました」とした。
「楽天早トク給与」は、企業の勤怠管理データを同サービスのシステムに連携させることで、手間なく、さまざまな勤務形態の従業員の前払いニーズに対応できる。従業員はWebから申し込むことで、必要なタイミングで給与を受け取ることが可能だ。
従業員は1回の申請につき5ポイントの楽天ポイントが貯まる
楽天カードでは「従業員の方の受取口座が楽天銀行の場合、前払い金の受け取りに加え、楽天ポイントが1回の申請につき5ポイント貯まります。企業側は、前払いサービス導入によって、応募者数の増加や従業員様の満足度アップによる定着率の向上が見込めます」と説明する。従業員の月間申請は3回までとなり、ポイント原資は楽天カードが負担する。楽天カードでは「本サービスの利用を機に楽天銀行の口座を使っていただくきっかけになればと考えております」としている。なお、従業員の振込手数料は楽天銀行の場合は無料だが、それ以外の金融機関の場合、1申請につき3万円未満で168円(税込)、3万円以上で262円(税込)が必要だ。
また、従業員の前払い申請可能金額の割合は、導入企業ごとに上限設定可能だが、楽天カードでは「控除分を考慮した割合を上限として検討される企業が多くなる」としている。
※従業員の振込手数料は楽天銀行の場合は無料となります。掲載当初、誤解を招く表現をしてしまいましたことを、おわび申し上げます。
企業は月額2万5,000円および従量料金で利用可能
企業の基本料金は、月額2万5,000円および従量料金となる。従量料金は、1申請に対して課金される固定料金の料金体系と申請額に対して課金される変動料金の料金体系がある。企業におけるサービスの利用状況を踏まえ、企業負担が少ない料金体系(固定or変動)を選択可能だ。
楽天カードでは、さまざまな業種・規模のアルバイト・パート、契約社員など有期雇用の人々を雇用する企業に利用してもらえるサービスだとしている。派遣社員については、派遣元の企業が同サービスを利用している場合に対象となる。
小売業、飲食業、宿泊業など幅広い企業のニーズを見込む
楽天カードの給与前払いサービスは預託型
楽天カードでは、初年度基本料金無料キャンペーン実施することで、導入企業拡大に努めている。現状は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が社会・経済全体に及んでおり、
幅広い業種・業態の企業に利用してもらう方針だが、特に楽天グループで取引の多い小売業、飲食業、宿泊業などからのニーズを見込んでいる。また、現時点では、非正規雇用者数が多い中堅以上の企業が中心だが、今後はスタートアップの領域にも広げていきたいとした。同サービスの導入企業は、楽天銀行の法人口座開設が必要となるため、一定の口座活性化にもつながると期待している。
楽天カードでは今後、給与前払いサービスの提供対象を拡大することを検討している。
なお、金融庁では、ファクタリングを利用した給料前払いサービスを貸金業の対象とすると発表したが、楽天カードの給与前払いサービスは立替型ではなく預託型となる。「楽天カードとして買い取りや立て替えを行わず、企業が企業名義の法人口座に預けている預託金から楽天カードが振り込み代行をして前払いを行うため、給料ファクタリングとは異なるサービス」だとしている。