2011年1月19日11:54
大日本印刷(DNP)は、ICカード用の高セキュリティなOSを搭載したmicroSDカード「TinySmart(タイニースマート)」を使ったアプリケーションを開発するための開発キットの販売を2011年1月末から開始すると発表した。同開発キットは、TinySmartとデバイスドライバをセットにしたもので、本人認証やデータの暗号化など、ICカードを利用したアプリケーションの開発に使用できる。
DNPが開発したTinySmartは、ICカードで実績のある高セキュリティなOSを搭載し、社員証や会員証、キャッシュ、クレジットなど既存のICカードアプリの利用が可能だ。microSD対応機器であればTinySmartが利用できるため、今まで移動中などでは持ち運びが煩わしかったICカード専用のリーダライタが不要になる。また、microSDカードのメモリ容量が大きいため、ICカードでは格納しにくかったパソコンや各種機器用のセットアッププログラム、TinySmartを動作させるデバイスドライバ、電子書籍や動画などのデジタルコンテンツなども格納できるという。
2009年11月のMULTOS版の開発以降、自社の機器やシステムでTinySmartを利用したアプリケーションを開発したいという数多くの企業ニーズを受け、同社独自OSのDNP Standard-9 V5版TinySmartを開発した。また、TinySmartを使用したアプリケーションの開発環境を提供するための開発キットも販売。すでにICカードを利用したアプリケーションの開発を行っている事業者は、同開発キットを利用することで、「TinySmart」を従来のICカードと同様に取り扱うことが可能となる。
パッケージ内容は、「TinySmart」(Standard-9 V5版 またはMULTOS 4.236b版)が5枚、CD-ROMで提供するTinySmart用PC/SCデバイスドライバ(評価版)が1式、取扱説明書 (ICカード機能/microSD機能)が1部、テクニカルサポート(TinySmartおよびデバイスドライバ動作に関するQ&A対応など)1式となっている。
価格はパッケージ一式で10万円。DNPは、TinySmartおよびその周辺ビジネスにより今後3年間で約15億円の売り上げを見込んでいる。また、モバイル機器に多く採用され始めているAndroid OS版ドライバの開発を進め、2011年末までにリリースする予定だ。