2021年12月9日18:23
Datachainは、ジェーシービー(JCB)と「デジタル通貨交換基盤」構築を見据えた、異種ブロックチェーン間の相互接続・流通(インターオペラビリティ)に関する実証実験を開始した。
今後、デジタル通貨については、中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)の他に民間での発行も含め、さまざまな発行・流通基盤が立ち上がることが見込まれている。既存の法定通貨は相互に幅広く交換が行われているが、デジタル通貨の利用拡大に向けては、デジタル通貨基盤間の相互運用を可能にする交換機能の整備が重要だと考えられるとした。
デジタル通貨の交換については、取引を仲介する第三者を置く形が現在では主流だが、元来ブロックチェーンが「自律・分散」を志向するものであることを踏まえると、今後は第三者に依存しない形での交換が広がっていく可能性が高いとした。
Datachainは、決済基盤・決済ネットワークに知見を持つJCBと、異種ブロックチェーン間の相互接続・流通の実現に向け、共同研究の第一段階として、第三者の信頼に依存しない異種ブロックチェーン間の相互接続・流通の方式(Relay方式 )の技術的有用性について協議を行ってきたが、このほど、JCBと共同で、「デジタル通貨交換基盤」構築を見据えた、異種ブロックチェーン間の相互接続・流通(インターオペラビリティ)の実証実験を開始した。
今回の実証実験では、Relay方式による異種ブロックチェーン間の相互接続・流通について、IBCを用いたハブ構造導入の技術的有用性を検証することを目的としている。
ブロックチェーン同士で直接検証するのではなく、ハブとなる交換基盤を用意し、各ブロックチェーンとハブとの間でIBCによる第三者の信頼に依存しない方式で検証を行うことで、 ハブを介して検証し合う形とする。仕組み上はこのハブを介して、IBCに対応したさまざまなブロックチェーン同士が相互に検証し合うことが可能だが、今回の検証では、ブロックチェーンの基盤として、世界で最も利用されているエンタープライズブロックチェーンの1つであるHyperledger Fabricと、 異種分散台帳間の接続を念頭に開発されたブロックチェーンとしてCBDCやグローバルステーブルコインでも利用・検討が拡大しているTendermintを用いる。各検証モジュールはHyperledger Lab YUIを用い、 各ブロックチェーンとハブ間の通信はIBCを用いる。クロスチェーン取引(ブロックチェーンをまたいだ複数の取引の同時実行)はCross Frameworkを用いる。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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