2011年2月17日12:00
大日本印刷(DNP)は、3次元コンピュータグラフィックス(CG)で作製したホログラム「バーチャグラム」の輝度を、従来の約2倍に高める新技術を開発したと発表した。
今回開発したバーチャグラムは、最新のCG技術や高精細電子線描画技術を駆使し、ホログラムの原版の凹凸形状に工夫を加えることで光の反射率を改良し、従来のCGで作製したホログラムと比べ2倍の輝度を持たせることに成功した。高解像度立体表現ができるため、一目で真贋判定が可能だ。また、特殊な光学特性を持つ材料をホログラム上に印刷することで、専用のビュアーによる真贋判定を行うこともできる。
ホログラム自身の輝度が高く、ホログラムに着色せずにフルカラー表現が可能であるため、コピー機やスキャナーによる複写、偽造の防止に有効だという。また、シール、転写箔、パッチ形態での提供が可能で、プリンターメーカーの認定を必要とするパスポートやIDカードへの使用に必要な性能基準を有している。さらに、中国の偽造防止製品の登録を義務付ける「製品偽造防止監督管理弁法」に準拠しているほか、欧州のRoHSやREACHなどの環境物質規制にも対応している。
バーチャグラムは見る角度を90度回転すると絵柄の明暗が反転する従来機能、さらに高度な180度回転すると絵柄の明暗が反転する機能などを追加することも可能だ。
価格は17mm×17mmサイズのシールを100万枚製作した場合、1枚あたり2.4円から。DNPは2011年2月16日から、このバーチャグラムを、ブランド保護や商品券・ギフト券などの金券用途に加え、パスポート、国民IDカード、運転免許証など高度なセキュリティが必要な製品向けに販売を開始し、今後3年間で3億円の売上を見込んでいる。