2022年8月9日18:40
東京都渋谷区は、コロナ禍において区民や来街者、企業、行政などさまざまなステークホルダーを巻き込みながら、 渋谷区らしい持続的な産業振興を行っていくため、区独自のデジタル地域通貨事業の実施を決定した。同事業委託の公募型プロポーザルにおいて、カヤックが選定された。また、ジェーシービー(JCB)は、加盟店開拓・導入促進等の分野にてカヤックとの協働にて参画し、デジタルガレージ(DG)と協力して、NFCタグサービスの提供を通じて同事業の発展につなげていく。
また、同事業では、キャッシュレス決済アプリ「ハチペイ」の開発はポケットチェンジが担っており、「ハチペイ」に採用されている同社のオリジナル電子マネーアプリを作れるプラットフォーム「pokepay(ポケペイ)」とNFCタグサービスの連携を実現する。
具体的に、同事業では、キャッシュレス決済アプリ「ハチペイ」と、コミュニティコインアプリ「まちのコイン(コイン名:ハチポ)」の2種類の異なる特性をもつデジタル通貨アプリを活用する。デザインには、渋谷区観光協会の公式キャラクター「SHIBUYA♡HACHI」を起用している。まちのコインは現在、 18 地域に導入されているが、決済アプリとの連携は今回が初となるそうだ。
キャッシュレス決済アプリ「ハチペイ」は、クレジットカードや銀行 ATM からチャージし、円の代わりに支払いでき、ポイント還元やプレミアム付商品券、割引等のさまざまなインセンティブが得られる。一方、コミュニティコインアプリ「ハチポ」は、換金性がなく、地域活動などでコインを獲得し、店舗やイベントでの特別な体験に利用可能だ。さらにコインの一部を「ハチペイ」のポイントに交換できたり、「ハチペイ」ポイントがコインに還元されたり、「ハチペイ」と「ハチポ」の双方を効果的に活用する。
また、マイナンバーカードの読み取りによる区民認証により、区民に対し、よりお得なキャンペーンを計画中だとしている。今後は「ハチペイ」と「ハチポ」の利用状況に関わるデータを活用することで、渋谷区が目指すスマートシティの推進にも役立てていくという。
今回提供されるキャッシュレス決済アプリ「ハチペイ」の店舗側での決済方法として、 NFCタグを活用した決済サービスが活用される。同サービスは、DGとJCBの資本業務提携に基づき開発されたもので、ユーザーのスマートフォンだけで決済が完結する完全非接触型の決済サービスだ。加盟店は、ユーザーにNFCタグへスマートフォンをかざしてもらうことで、WEBブラウザへと遷移し、決済をオンライン上で完了させることが可能だ。同プロジェクトでは、このWEBサービスと、決済アプリおよびpokepayサービスを連携させることで、NFCタグ経由で、メニューや支払金額をWEBブラウザ上で選択・指定した後、渋谷区向け決済アプリ上でのデジタル地域通貨決済を利用できるという。
同サービスではDNPの「DNP NFCタグ認証プラットフォーム」を利用し、タグの複製、 URL情報の改ざんや二次使用等による偽造防止と不正使用防止を実現している。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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