2023年10月10日12:30
一般社団法人しまなみジャパンとナビタイムジャパン、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、伊予銀行、いよぎん地域経済研究センターは、2023年10月6日から、瀬戸内海を挟む広島県尾道市と愛媛県今治市をつなぐ「しまなみ海道エリア」における観光消費の拡大を図るため、レンタサイクル利用者向けアプリ等を活用した観光DXに関する実証実験を行っている。
しまなみ海道では、サイクリングを核とした観光地づくりが行われており、2019年はレンタサイクルの貸出台数が15万台にのぼるなど、広島県尾道市・愛媛県今治市及び周辺地域の観光振興において大きな役割を担っている。一方で、現状では観光客の属性や地域内の動態等のデータを明確に把握できておらず、周辺地域の観光振興への貢献度が定量化されていないほか、レンタサイクルの予約・貸出が紙媒体での受付と現金決済となっており、レンタサイクル利用者にとっての利便性が十分でないという課題がある。
同実証では、しまなみ海道エリアの飲食・観光等スポットの情報提供や現在地・現在の走行状況(距離や時間)等に基づいた音声レコメンド等を行い、エリア内を周遊できるようにサポートするアプリを提供するという。ナビタイムジャパンの経路検索技術を活用し、レンタサイクルの貸出・返却ターミナルを繋ぐ旅程作成機能を開発した。
また、国内観光需要及びインバウンド観光需要の増加に伴い、予約受付のオンライン化や現地受付のペーパーレス化、支払いのキャッシュレス化を図り、予約・貸出業務を効率化する。さらに、業務効率の改善により、受付に掛かる時間の短縮や手厚い観光案内等が可能となり、サービスの質のさらなる向上につなげるという。
これらの取り組みで取得するデータおよびSNS・気象データ等の一元集約を可能とするデータ連携基盤を利用する。一元集約されたデータからレンタサイクル利用者の属性および行動実態を把握するダッシュボードを開発し、現状把握を的確に行うことで、経験や勘に依存した経営からデータを活用した観光地経営の実践へつなげるという。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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