2023年10月22日7:00
スマートロボティクス、ステラリンク、マクニカは共同で、デジタルサイネージ(電子看板)ロボット市場に参入すると発表した。
10月6日~9日に東京都大田区の羽田エアポートガーデンで行った実証試験で、固定型のデジタルサイネージに比べ視聴率が6~10倍と高かったことから、初期モデル「AdRobot(アドロボット)」の販売を始める。初期モデルの価格は仕様によって異なり、1台850万~950万円。完成度をさらに高めて2024年4月に本格販売する計画だ。将来的にはアバター(仮想空間のキャラクター)遠隔接客や決済システムなどの機能を追加する計画で、商業施設の集客をはじめ、遠隔操作による災害時の誘導や監視業務への活用を見込む。
同デジタルサイネージロボットは、スマートロボティクスの人工知能(AI)カメラ搭載・自律走行の50インチ大型ディスプレー搭載ロボットと、ステラリンクのクラウド型配信システムのデジタルサイネージコンテンツ及び各種クラウドサービスを組み合わせることで、ロボットの位置情報を活用した最適な広告案内や店舗への誘導を実現するという。マクニカは初期モデルの販売代理店となるほか、本格販売に向けてセンサー・カメラの提供やコンテンツ配信情報の統合分析を検討している。
スマートロボティクスがハードウエアとロボット制御・管理システムを、ステラリンクがコンテンツ表示システム、配信システムと各種クラウドサービスをそれぞれ担当した。プログラムやソフトウエアはウェブ上で連携。AIカメラによって、ロボットを見ている人を検出して寄っていく。AIが性別やおおよその年齢を判断するとともに、何人が見たか、1人がどれくらいの時間見たかを記憶する。羽田エアポートガーデンでの実証試験では、クラウド型配信により位置別に13店舗の広告コンテンツを流した。 固定型のデジタルサイネージ1カ所にも同様のAIカメラを設置し、それぞれ視聴時間0.001秒以上と1秒以上の視聴率を調べた。その結果、ロボット(前後2面のディスプレーのうち後面のみで計測)の視聴率は、固定型に比べ視聴率0.001秒以上で9.84倍、同1秒以上で6.86倍となり、視聴率の高さが裏付けられたそうだ。
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ペイメントナビ編集部
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