2011年4月14日6:35
銀行系クレジットカード会社で組織する日本クレジットカード協会(JCCA)は、国内での普及が加速するスマートフォンなどを活用したクレジットカード決済について、クレジットカード番号をはじめとした各種情報が、安全かつ適切に取り扱われることを目的として、「スマートフォン決済の安全基準等に関する基本的な考え方」をとりまとめたと発表した。
スマートフォンは現行の一般的なクレジットカード端末と比較した場合、セキュリティ面において課題があることから、JCCAでは今後、クレジットカード番号等の漏えいや不正利用等の事故が発生し、クレジットカード会員の安全とクレジットカード業界の信頼が脅かされることを危惧している。また、2010年7月、経済産業省が主催する産業構造審議会消費経済部会基本問題小委員会が出した報告書においても、この問題を取り上げて、「クレジットカード業界においては、安全基準の策定等に取り組み、インターネット技術を取り込んだ新しい決済ネットワークの構築に向けて、今年度中に検討を開始していく必要があると考えられる。」とまとめられている。
これらの経緯から、JCCAでは、スマートフォン決済のあり方に関する検討を行うワーキンググループを2010年10月に組成し、検討を行った結果、「スマートフォン決済の安全基準等に関する基本的な考え方」の公表に至ったという。
取りまとめた内容としては、スマートフォン等によるクレジットカード決済端末の必要最低限の安全基準を定義した。また、アプリケーションや周辺機器等、スマートフォンを決済端末として利用する際に必要となる仕組みごとにあるべき安全基準を整理している。
JCCAでは今後、クレジットカードの業界団体である社団法人日本クレジット協会に対し、JCCA以外のクレジットカード会社、クレジットカードインフラの関係者、専門家等、幅広い意見を踏まえた「業界統一のガイドライン」の早期策定に向けた働きかけを行っていくという。