2024年4月22日8:10
日本航空(JAL)では2023年11月、JALマイレージバンク会員のための新アプリ「JALマイレージバンクアプリ」をリリース。その中心的機能の1つとして、スマホ決済「JAL Pay」を搭載している。「JAL Pay」では、航空券の購入だけでなく日常の決済でもマイルが貯まり、貯まったマイルは500マイル単位でJAL Payポイントに交換可能。JALマイレージバンク会員向け銀行サービス「JAL NEOBANK」からの現金チャージ分と合わせて、ECを含めて国内外での決済に利用できる。アプリのリリース以来、「JAL Pay」利用額・件数は好調に伸びており、中でもコンビニやスーパーなどでの利用が目立っているという。
日常生活でマイルが貯まる、使える
スマホ決済が新しい会員層の獲得に寄与
日本航空(JAL)では、2023年3月22日にスマホ決済「JAL Pay」を開始。これを、同年11月7日にリリースした「JALマイレージバンク(以下、JMB)アプリ」の中心的機能に据えている。JMBアプリは、トラベルプリペイドカード「JAL Global WALLET(以下、JGW)」保有者向けに運用してきた「JAL Global WALLETアプリ」の名称を変更、アップデートしたもので、数十万人の利用者基盤を引き継いでスタートした。
「JAL Pay」では、日常の決済で200円につき1マイルを付与。貯まったマイルは500マイルから、1ポイント=1円として使える「JAL Payポイント」に交換でき、これに現金チャージ分を加えて、国内外のMastercard加盟店、QUICPay+(クイックペイプラス)加盟店およびSmart Code加盟店、JAL PLAZAや機内販売などでの決済に利用できる。チャージは、住信SBIネット銀行のJMB会員専用銀行サービスであるJAL NEOBANK、インターネットバンキング、銀行振込で行うことができ、間もなくクレジットカードチャージも可能になる予定だ。
従来のJGWアプリの利用者は、頻繁に海外に渡航するビジネスパーソンなどが中心だった。それに対してJMBアプリのリリース以降、増えているのは、「これまでマイルを貯めていなかった、あるいは、貯め始めたばかりの“エントリー”層。その結果、国内のショッピングで使われるJAL Payの利用額・件数が、それ以前の200%に拡大しました」(JALペイメント・ポート マーケティング部 ユニットリーダー 木田大雅氏)。決済件数ではコンビニが最も多く、ネット決済ではJAL航空券での利用が目立つ。JMB会員の年代は大半が40~50代だが、「JAL Pay」利用者に限ってみれば20代、30代が全体の20%ずつを占める。
「JAL Pay」はアプリの初期設定を行い、チャージを済ませれば即、利用が可能。その手軽さに惹かれて新規入会し、専らスマホ決済を利用している会員も多い一方で、JGWカードによる決済も大きく減ってはいない。カードを使ってアプリよりも手軽にMastercardタッチ決済を利用する、あるいは、一定額以上の買い物はカードを利用するなど、スマホ決済とカード決済を併用している会員が多い。「JAL PayとクレジットカードのJALカードにはそれぞれの良さがあります。自由に使い分け、便利にマイルを貯めていただきたい」とJALペイメント・ポート マーケティング部 マネジャー 髙田大介氏は話す。
“JALマイルライフ”の実現に向けて
新たなロイヤリティ・プログラムを始動
JALでは、日常生活でコツコツ貯めたマイルを、特典航空券などJALならではの特別な体験につなげる“JALマイルライフ”を提唱している。JMB会員に日常生活においてもJALを意識してもらう、すなわちJALにとっては非航空領域を強化するために重要な役割を担うツールがJMBアプリであり、アプリを毎日開く理由付けになっているのがまさに「JAL Pay」なのだ。JALは「航空搭乗利用時のJALアプリとは別に、日常でのご利用時のJMBアプリに非航空関連の各サービスを集約する方針」(JAL マイレージ・ライフスタイル事業本部 マイレージ事業部 アシスタントマネジャー 黒澤崇氏)である。
またJALでは2024年1月、1年間の搭乗実績に応じた特典を付与する「FLY ON プログラム」とは別に、搭乗に加え非航空領域のサービス利用も対象となるカスタマー・ロイヤリティ・プログラム「JAL Life Status プログラム」をスタートさせた。JMB入会以降のJALグループ便搭乗分も対象となり、ポイント数はJMBアプリからも確認できる。JALでは、「このプログラム開始を機に、これまでJALのサービスをご利用いただいてきた方々はもちろんのこと、若い方々にもJMBに入会していただき、長いお付き合いにつなげたい」(JAL マイレージ・ライフスタイル事業本部 マイレージ事業部 アシスタントマネジャー 有島麻衣子氏)考えだ。