2024年5月10日9:05
FinTechイベント「Money20/20 Asia」が2024年4月23日から25日に、タイのバンコクにあるクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター(QSNCC)で開催された。
会場には3,000人以上の参加者と200人以上のジャーナリストが来場。APACの24カ国を含む87カ国から参加者が訪れた。3日間のイベントでは、アジア全域から250人を超える講演者が、4つのステージを共有した。講演者の45%は女性エグゼクティブとフィンテック・リーダーであり、講演者全体の60%以上がC-suiteレベルだったという。
Money 20/20のトレイシー・デイビス氏とスカーレット・シーバー氏は、タイ・バンコクでのカンファレンスについて、アムステルダム、ラスベガスと共にタイが新たに国際的な会場に加わったことを誇りに思っていると述べた。
また、同イベントでは、複数のステージで、金融技術や文化的アイデンティティを祝うセッションや、AIやデジタルファイナンスなどに焦点を当てたプログラムが紹介された。さらに、新しいデジタルプラットフォーム「20ボルト」やナイトイベントの開催など、参加者が一日楽しめるように設計されているとした。
講演では、AI、クロスボーダー決済、オープンバンキング、デジタル資産、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、金融包摂などがホットな話題となった。
タイ中央銀行のダラニ・セジュ氏はタイがFinTechの革新でアジアのハブとして認識されていること、また、アジア太平洋地域が2030年までに世界のFinTechリーダーになると予想されていると述べた。同氏は、デジタルID、決済、データ層の3つのデジタルインフラストラクチャを通じたタイのデジタル金融変革の進捗を紹介した。特に、PromptPay(プロンプペイ)という即時決済インフラがタイのデジタル決済革命を加速させたと強調した。また、CBDC(中央銀行デジタル通貨)の試験についても言及し、将来のリテール支払いインフラとしての可能性を探る試みが行われていることを報告した。
タイ最大の商業銀行の1つであるカシコンバンクは、4月23日に開催されたMoney20/20 Asiaのプレスランチにおいて、J.P.モルガンとの重要なパートナーシップを発表した。共同イニシアチブの「Project Carina」は、分散型ブロックチェーンとWeb3技術を活用し、処理時間を72時間からわずか5分に大幅に短縮するクロスボーダー決済を実現するという。
会場では、189のセッションのうち20にアジアの規制当局が参加、またはFinTechや金融機関が参加し、最新トレンドやレギュラトリー・テックの影響について議論している。さらに、AI時代のセキュリティ、モバイルID、詐欺防止など、セキュリティに関しても議論された。
なお、来年の「Money20/20 Asia」は2025年4月22~24日にクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センターで行われる予定だ。