2024年9月12日7:10
日本円連動ステーブルコイン「JPYC」を取り扱うJPYCは、UPBONDとネクストフィールドが共同で開発・運用する建築業界向けWeb3サービス「GOヘイ!」の実証実験において、従業員向けインセンティブとして日本円ステーブルコインJPYCが採用されたと発表した。
同実証実験は、兵庫県内の鹿島建設の現場で行われたもので、「GOヘイ!」の機能を鹿島建設の捉える業界課題や現場のニーズに応じて追加開発を行った。現場での使いやすさや労働者のモチベーション向上に直結する機能としてセガ エックスディーの協力により、ゲーミフィケーションの要素を取り入れ、楽しみながら継続的に利用できる仕組みを構築しているそうだ。
2024年の労働法改正による36協定の労働時間制限強化により、技能労働者の賃金減少が懸念されている。同時に、建設現場では効率的な運営が求められている。これらの課題に対処するためには、新しい技術や作業方法の導入が不可欠だという。同取り組みは、技能労働者へゼネコンから直接インセンティブを付与することにより、技能労働者を適正に評価し、モチベーション向上と現場の活性化を図ることを目指している。
「GOヘイ!」は、Web3.0とブロックチェーン技術を駆使した建築DXソリューションだという。技能労働者は、直感的でゲーム感覚の高いアプリを通じて相互評価を行い、ポイント(トークン)を自動的に獲得できる。これらのトークンは、日本円連動ステーブルコイン「JPYC」と交換でき、将来的には現金同様に利用可能だ。
同システムにより、技能労働者のモチベーションが大幅に向上し、現場の運営効率も改善されることが期待される。また、ウォレットに信用情報が蓄積されることで、技能労働者が現在よりも簡易に銀行や保険のローンを組める未来も見据えている。
同実証実験は、個別企業に閉ざされた取り組みに留まらず、将来的に業界共通のシステムとなり得る技術の先駆けになると位置付けている。多言語対応、外国人技能者対応、CCUS(建設キャリアアップシステム)との連携、資格情報や経験情報の共有、建設業アプリや給与システムとの連携も目指し、取り組みが建設業界全体に広がることで、革新的なDX推進と技能労働者の価値向上を図る。同実証実験に参加した現場からは「現場単位じゃなくて個人単位でどこの現場でもあればもっとやる気がでるのでは」「1人でアプリ利用するよりも、現場のみんなで利用する方が盛り上がる」といったフィードバックを受けており、今後搭載を希望する機能の要望ももらっている。今後実証実験で得たフィードバックを元にシステムの改善と実証実験現場の拡張を鹿島建設と協力をしながら続けていく予定だ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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