PayPayは7割の社員が給与デジタル払い受取希望、買い物やPayPay証券での投資も可能に

2024年9月30日8:00

国内でも賃金のデジタル払い(以下、給与デジタル払い)の受け取りが2024年9月25日にスタートした。PayPayは年内にすべてのPayPayユーザーを対象に同サービスの提供開始を予定しているが、それに先駆け8月14日以降、ソフトバンクグループ10社の従業員に対して希望しているユーザーにのみ対応しており、同日に初の振込となった。

ソフトバンクグループ10社の希望者から
年内にすべてのユーザーに対応予定

給与デジタル払い開始日には主要なテレビ局にも取り上げられるなど注目を集めた。同日は三菱UFJアセットマネジメントとPayPay証券が「eMAXIS/PayPay証券 全世界バランス」に関する記者説明会を開催。PayPayの広報に同社社員の給与デジタル払いの状況について話を聞いた。

同社では9月の給与受け取り分から希望者を対象にスタートしたが、PayPayでは約7割の社員が希望し、PayPayマネー(給与)を受け取ったという。受け取れる金額は20万円まで選択できる。例えば、3万円、10万円、上限の20万円など、社員が受け取り金額を選択可能だ。なお、上限額を超過した場合、事前にPayPayへ登録した本人名義の銀行口座へPayPayが自動で送金する。今回の取り組みは企業の従業員から希望があった場合にのみ振込可能で、企業が一括して契約するといったことはないのも特徴だ。

給与の受け取り時に大きな問題が発生することなく、支払いが行われた。希望に応じて20万円まで受け取ることが可能だ。給与は毎月1回好きな金融機関に無料で送金でき、2回目以降、PayPay銀行宛であればいつでも無料、PayPay銀行以外宛は100円となる。

PayPayで受け取った給与は、店舗やオンラインでの買い物に利用したり、PayPay証券で投資を行うことができる。利用者にとっては、銀行口座からお金を引き出す必要なく、受け取ったPayPayマネー(給与)をそのまま利用可能だ。

受け取ったPayPayマネー(給与)をそのまま「eMAXIS/PayPay証券 全世界バランス」ファンドにも投資可能(画面は9月25日時点)

全世界の資産に分散投資
リスクを抑えた運用が可能に

なお、「eMAXIS/PayPay証券 全世界バランス」ファンドのセミナーでは、三菱UFJアセットマネジメント 常務取締役 代田秀雄氏とPayPay証券 代表取締役社長執行役員CEO 番所健児氏が登壇し、コラボレーションファンドの誕生背景、商品説明、トークセッションを行った。

三菱UFJアセットマネジメント 常務取締役 代田秀雄氏(左)とPayPay証券 代表取締役社長執行役員CEO 番所健児氏

PayPay証券は後発の参入にもかかわらず、NISA口座数の累計は33.7万口座となっている。特に投資初心者の獲得につながっており、1月~6月はNISA口座開設数でトップ3に入っている。サービスの特徴として、投資未経験者が95%となっており、PayPayアプリから簡単で迷わないUI・UXとなっているそうだ。

「eMAXIS/PayPay証券 全世界バランス」の3つのポイントとして、1つ目はNISAでの購入が可能で、長期・積立・分散に適した商品だという。同サービスは、 目標とするリスク水準は年率10%程度となる。毎月自動で資産バランスを調整し、全世界に分散投資ができる。積立は100円から投資でき、PayPayポイント、クレジット、デジタル給与でも投資可能だ。

2つ目は、ポートフォリオ構築の古典であるハリー・マーコヴィッツの現代ポートフォリオ理論「平均分散法」と、現代のリスクベースアプローチをポートフォリオ組成において進化・融合させたハイブリッドモデルを採用し、円ベースでの最適化を実施している。

3つ目は、多様な資産を組み入れることによって、投資効率の向上を狙っている。世界の株式や公社債、日本を含む先進国の不動産投資信託証券(リート)および商品(コモディティ)を実質的な主要投資対象として、幅広く分散投資が可能だ。為替ヘッジ試算も一部入れ、円高のリスクを一定程度コントロールしている。

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