2024年11月25日8:00
「Singapore Fintech Festival(シンガポール フィンテック フェスティバル)2024」(SFF)では、シンガポール金融管理局(MAS、Monetary Authority of Singapore)のマネージング ディレクターである Chia Der Jiun(チア・デル・ジウン)氏が、QRコード決済やトークン化、AIといったMAS の FinTech ビジョンと、MAS が同分野の成長機会をどうとらえているのかについて語った。進行はBBCワールドのプレゼンターであるManisha Tank(マニシャ・タンク)氏が務めた。
SFFで世界中のFinTech企業が一堂に会す
AIも業界を通じて共同でアプローチ
FinTechセクターに対するMASの全体的なビジョンとして、1つ目のコミュニティに関しては、SFFの活気が物語っているとした(134の国と地域から6万5,000人の参加者)。多くの参加者に加え、FinTechスタートアップや企業のコミュニティは、シンガポールだけでなく、今や世界中に広がっているそうだ。同イベントのために、世界中のFinTech企業が一堂に会している。チア氏は「これは、このネットワークとコミュニティの1つの明確な結果です」と成果を述べる。
GFTN取締役会会長、シンガポールの気候変動対策大使、シンガポール通貨庁前専務理事のRavi Menon(ラヴィ・メノン)氏の基調講演ではグローバル金融テクノロジーネットワーク(GFTN)の設立を公表し、その理事会と国際諮問委員会を紹介している。チア氏は「これはこのネットワークを世界的に広げ、広げ、深めるという新たなレベルの意欲を示すものであり、これらのネットワークを1つにまとめることでもあります」とした。
2つ目のコラボレーションでは、サンドボックスの設置を通じて実験と革新を奨励している。スケールメリットを得る方法として、産業界や連邦政府とのコンソーシアムを積極的に結成しているそうだ。コンソーシアムでは、20を超える金融機関、業界団体、基準設定主体、国際機関、政策立案者、標準化団体、国際機関、政策立案者がデジタル資産の問題を解決しようと集結している。また、AIに関しても、業界を通じた共同アプローチが行われている。
決済の効率化に長年取り組む
加盟店のQRコード導入率はほぼ100%
3つ目は、効率(capability)だ。業界を成長させ、これらの課題や苦難を克服するための基盤を整えるための措置を講じている。決済はその1つで、長年にわたって取り組んできた分野だ。低コストで利用しやすく、迅速な国内決済の実現に努めている。また、国境を越えた決済にも注力している。「これは数年にわたるミッションであり、目標でした。それを継続的に構築しています」(チア氏)。アセット・トークンや資産トークンの領域も重点的に投資しているそうだ。
シンガポールでは、デジタル・アイデンティティ(デジタルID)の導入から始まり、高速決済の導入、そして、シンガポールの金融システムにおける競争力の強化に至るまで、さまざまな取り組みを行ってきた。QRコード決済、「PayNow」のリンク決済など、非常に上手く機能しているそうだ。
チア氏は「国内決済の普及率は高く、登録率は90%を超え、加盟店のQRコード導入率はほぼ100%です」と説明する。成果を感じている一方で、「シームレスではありません。私たちが解決しなければならない問題は相互運用性です」と課題も口にした。
加盟店は複数の異なる決済スキームに対応していない可能性がある。1つの決済スキームしか導入していない場合、その決済手段しか受け入れられない。その課題解決に向け、NETSグループとLiquidグループは、相互運用可能なQR決済ソリューションを発表した。これにより、シンガポールの国内加盟店は多くの異なるスキームを導入する必要がなくなり、幅広い利用者を受け入れることができるようになる。
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