2011年6月22日8:22
一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)と消費者庁は、2011年6月21日、東京代々木のSYDホールで「決済代行事業者登録制度」の説明会を開催した。同制度は、2011年5月9日付けで消費者庁より公告された「クレジットカードに係る決済代行業者登録制度に関する実証調査」について、MCFが受託し、運営を行うもの。
説明会は、決済代行事業者が対象の第1部、消費者行政関係者、消費生活センター相談員、報道関係各社が対象の第2部に分けて行われた。第1部は、「30数社にご参加いただけました」と消費者庁 政策調整課 企画官の川上一郎氏が話すように決済代行事業者の関心も高かったという。
近年は、インターネットを巡る消費者トラブルも数多く発生し、特に出会い系サイトなどのトラブルには、多くの事例でクレジットカードに係る決済代行業者を通じた決済手段が使われている。消費生活センターなどには、2010年5月から10月の半年に、詐欺的な出会い系サイトなどのトラブルの相談が550件寄せられた。また、年間では1,000~2,000件の相談があったという。
このような問題を受け、決済代行業者が介在する取引であることや決済代行業者の名称や連絡先などが、消費者や消費生活センターの相談員などの関係者にとってわかりやすく表示されるように、7月から登録制度を導入する。具体的には、登録決済代行事業者は、決済代行サービスを利用する販売業者に対し、当該販売業者個々の取引において「決済代行業者を使っていること」「当該決済代行業者が『登録簿』に登録されていること」「当該決済業者の名称、連絡先」などをわかりやすく表示しなければならない。登録制度は、当面の措置として2~3年をめどに運用するが、「その後の措置に関しては現時点では未定」(消費者庁 井上氏)となっている。
登録簿はMCFに設け、決済代行事業者は申請書に登記簿謄本を添付してMCFに提出する。登録用の申請書には、「登記上の名称および所在地」「個々の取引のクレジットカード決済について、請求を行う際に使用する業者名」「個々の取引のクレジットカード決済について、請求を受けた消費者から相談を受けた消費生活センターなど関係者から連絡を受け付けることができる連絡先および連絡を受け付ける日時」などの項目を記載する必要がある。
また、登録簿には掲載はしないが、個人情報の管理、認証制度の取得、契約しているクレジットカード会社やブランドなどの情報も登録用の申請用紙に記載する必要がある。さらに、登録した決済代行事業者が介在する取引について、請求を受けた消費者や当該消費者から相談を受けた消費生活センターなどの関係者から連絡があった場合、これを受け付けるための体制を構築・運用する必要がある。
なお、同制度はあくまでも制度に登録したということであり、個々の適法性および適正性を保証するかのような誤解を与える表記を行ってはならないとしている。
制度のホームページには、登録業者のリストや各社の代表者名、電話番号、WebサイトのURLが表示される。登録した決済代行事業者については7月から順次掲載を開始。MCF 事務局次長の高野敦伸氏は、「ご登録いただいた決済代行事業者については、約10日の確認期間を経て、サイトにアップする予定です」と説明する。また、消費生活センターなどからの相談や質問用として、サイト内に問い合わせフォームも用意するという。