2024年12月23日9:00
メルカリの子会社で、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うメルコインは、2024年12月18日より、「メルカリ」内でイーサリアムを保有しているだけで、毎月メルカリポイントが手にできる新機能の提供を開始した。
1年9カ月で300万会員突破
暗号資産の初経験が9割
メルカリは昨年に設立10周年を迎えた。次の10年の成長に向けて、あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げるという新しいミッションを公開し、事業を推進している。メルカリでのモノの循環に始まり、お金、信用、暗号資産などを循環させてきた。
中でもメルコインは、多様な価値を巡る新しい経済をつくるというミッションを掲げ、メルペイ残高を利用して、「資産運用ができる増えるおサイフ」という構想を掲げながら事業を推進してきた。各価値の循環という中でも資産形成の役割をこれまで担ってきた。まずは暗号資産をもっと身近に感じてもらい、関係人口を増やすため、昨年3月からビットコイン取引サービスを開始している。利用者は12月17日時点で300万を超えた。
誰でも簡単に暗号資産取引をはじめられるように、サービス利用開始をスムーズにするとともに、わかりやすい表示、通貨数を絞るなど、サービス設計を考えながら展開してきた。
以前から暗号資産を初めて利用する人は8割を超えていたが、直近では86%まで上昇してきている。サービスをはじめる理由は、引き続きメルカリアプリで簡単にできること、売上金やポイントを使えるところを挙げている人が多い結果となった。
メルカリの売上金の使い道をアンケートで聞いたところ、暗号資産取引サービスを利用している人が40.9%と、メルカリでの買い物の次に多くなっている。
さらに、使いはじめている人の中でも売上金をもっと暗号資産に活用したいという追加のニーズを持っている人が90.6%あり、非常に高いニーズが引き続き続いてる状況だという。
メルカリで暗号資産を保有するメリットが高まる
毎月自動でポイントが手に入る
暗号資産のハードルとして、損しそう、怖い、資産がないと感じている人に対しても簡単に取引をスタートできるように機能を拡充してきた。最短30秒からアプリをスタートでき、円表示、1円からの取引、通貨をビットコイン、イーサリアムに絞るところからサービスがはじまる。また、積立サービスをリリースし、ビットコインをそのまま買い物に使える機能も提供してきた。
持つ、使うところを中心として機能を拡充し、暗号資産の新たな価値保有という体験を作り上げてきた。そんな中、暗号資産を持つ価値を高める目的で、さらにサービスが進化した。
今月から、対象の暗号資産を保有するだけで、毎月ポイントがもらえるようになった。これによりメルカリで暗号資産を持つメリットが「これまでよりも明確になる」(メルコイン 代表取締役CEO 中村 奎太氏)という。
これまでの値動きの期待だけでなく、暗号資産を保有しているだけでポイントが手にできる。これは、「大きな革新になるかなと思っております」(中村氏)。イーサリアムを保有するだけで自動的に毎月ポイントが増える。
またもらったポイントは、これまでのメルカリのポイントと同様に、自由にさまざまな場面で利用できる。これまでの暗号資産保有に対して、定期的なポイント収益が加わる。想定年率は3%でスタート。12月からイーサリアムを持ってる人すべてが対象となり、特に申し込みも必要なく、年率が付く。
また、同社ではイーサリアムの一定割合をステーキングしている。ステーキングとは、ブロックチェーンの安定稼働に貢献できる仕組みを持つ暗号資産を保有することにより、その対価として報酬を受け取ることができるものだ。イーサリアムは「Proof of Stake(PoS)」という承認方式を採用している暗号資産であり、バリデーターと呼ばれる参加者が取引の承認を行い報酬を得るが、その報酬は保有している暗号資産の量に応じて付与される仕組みとなる。
ステーキング自体の報酬は同社も受け取るが、ポイント還元の原資としているわけではなく、ポイントの還元としての算出としては、独立した形でサービスを運用していこうと考えている。
年率3%のシミュレーションとして、毎月1万円分のイーサリアムを積み立てた場合、翌月手にできるポイントは約25ポイントになる。これを1年間、単月で積み立てた場合、約300ポイントほど手にでき、年間2,000ポイントほどとなる。5年積み立てると、1,500ポイント単月で手にできるようになり、年間1万6,000ポイントを超えるような水準となる。
実際には元本とするイーサリアムの評価額が変動するが、保有しているだけでもポイントが徐々に積み上がっていくことは、感じやすくなっている。また、その他の金融商品と比べても高く、収益性を体感してもらえるとした。
「持っているだけで何もせず、ポイントが増えていく仕組みは、メルカリグループとしても初めての機能になってきます」(中村氏)。もともとのメルカリの売上金は、お金は変動せず、額面通りがメインだったが、メルコインは価格の変動を楽しむサービスを展開してきた。それに加え、今回はじめて持ってるだけで増えるポイントが加わることになる。
ステーキングも開始しエコノミクスに展開へ
LTVなども踏まえ、還元率を算出
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