2025年7月29日8:00
日本NCRコマースは、グローバルで標準化された “Out Of The Box”(カスタマイズ不要な次世代プロダクト)型の統合プラットフォームをベースに、短期間・低コストで導入可能なSaaS型の提供モデルを、日本市場で本格始動すると発表した。人手不足や運用負荷の高まりといった流通・小売現場の構造的課題に対し、業界のDXを大きく加速させるという。同社が提供する「NCR Voyix POS EXソリューション」は、コンテナ化、Kubernetes(K8s)、Edge、マイクロサービスが強みとなるそうだ。

欧米の小売業の課題は日本でも顕在化
小売現場にSaaSとプラットフォーム推進
日本NCRコマースは、小売業に向けて小売り、飲食、ペイメントを中心に事業を展開している。日本ではリテールとバンキングを中心に、一部レストランの事業を行っている。小売業の現場、特に大手では「SaaS」型のビジネスモデルが実現できていないという。現状、バックオフィスはSaaSモデルに変わってきているというが、フロント側が実現できていないそうだ。
日本NCRコマース 代表取締役社長 小原 琢哉氏は、「小売業トップは、今までの現場の流れをそのままシステム化するのではなく、SaaSモデルのプラットフォームを提供していきたいと考えています。また、弊社が用意したソリューションを箱から取り出して利用する『Out of the Box』型ビジネスを推奨しています。これは、現場を担当するITベンダーはまだできていませんので、大きく先行できると考えています」と説明する。
欧米の小売業が抱えてきた課題として、インフレとコスト上昇、消費者行動の変化、人材確保と定着、盗難や組織犯罪などがあるが、日本でも現在大きな課題となっているそうだ。
日本NCRコマースは、SaaS型プラットフォームを、大手小売業を含むすべての小売業に拡大。また、バックエンドだけではなく、フロントオフィス、ミドルオフィスに対応する。
ウォルマートなどの成功事例を体系化・具現化
フロントサービス領域で「Out of the Box」導入
日本NCRコマースが手掛ける4つの事業モデル変革として、小原氏は、①グローバル大手小売業との長年の関係により得たベストプラクティスの体系化・具現化、②最新のアーキテクチャーに基づいたOut of the Box型次世代プロダクトの提供、③ベストプラクティスと次世代プロダクトを活用するシステム導入モデルの変革、④小売業現場の負担を極力低減した統合型サービスデスクの提供、という4つを挙げた。
NCR Voyixとグローバル大手とのベストプラクティスの体系化・具現化では、ウォルマートとの関係が挙げられる。セルフチェックアウトやマネージドサービスによりストア・トランスフォーメーションを全面支援した。店舗運営の効率化により17万人以上のリソースを創出し、戦略的領域であるオンライン グローサリーピックアップ(日本のネットスーパー)にリソースシフトしたことに大きく貢献したそうだ。
また、Sainsbury’s とは、2024年8月、顧客体験の革新と次世代の事業戦略立案に向けて、NCR Voyixが7年間の包括契約を締結している。
さらに、従来、企業ごとに個別開発が求められていたフロントサービス領域において、「Out of the Box」を導入した。
これにより、開発負荷を大幅に軽減し、迅速かつ柔軟なサービス展開が可能となるそうだ。クラウドネイティブ、仮想化、マイクロサービス化、サブスクリプション、研究に基づくUX、プラットフォームによる次世代プロダクトの提供が可能になる。
例えば、AIエージェントと会話型AIを活用し、店舗運営をよりよくするための洞察(Insight)を提供可能だ。
また、プラットフォームによるサードパーティソフトウエアと自社開発のプロダクトを提供可能で、リアル店舗とデジタルでの顧客接点を構築可能だ。日本においてもサードパーティ企業との連携を推進中だという。
短期間・工数ミニマム・低コストで導入可能に
統合型のサービスデスクも提供へ
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