2025年8月21日8:48
Japan Smart Chain(JSC)は、イーサリアムとの互換性を備え、日本国内でバリデートされる、日本主権型レイヤー1 (L1) ブロックチェーンとなる。JSCでは、2025年8月8日にJSCテストネット「kaigan」、およびJSCの基板上に構築されたモジュール式のトラスト&コンプライアンススイート「Mizuhikiスイート」のデモを体験してもらうイベントを開催した。また、ビジョンパートナーのKDDIも登壇し、同社のweb3の取り組みやJapan Smart Chainへの期待について語った。
JSCテストネット「kaigan」
「Mizuhikiスイート」のデモを体験
東京でのイベントでは、ベルサール六本木カンファレンスセンターで開催。当初の予定を上回る人が参加したため、会場を急遽変更しての開催となった(8月6日には福岡でも開催)。
「Mizuhikiスイート」は、アプリケーション開発者が国内規制に容易かつコストの負担なく準拠できるよう支援するという。同スイートを導入することで、開発者は取引の安全性を確保し、中小企業は高額なコンプライアンス費用を削減できるそうだ。
AltX Research 代表取締役 金井玄氏によると、ブロックチェーンがビジネスでそれほど使われておらず、どのチェーンを使うかでプロジェクトが止まるという。世界のバリデータの中で日本は3%弱であり、日本企業が海外のチェーンの会社を使うのを躊躇しビジネスに結びつかないとした。そのため、日本国内のサーバで運営するブロックチェーンを開発し、「安心して使えるチェーンを目指しています」(金井氏)。チェーンを走らせるサーバをすべて日本国内に設置しており、日本の法律、使いやすさ、日本会社のために設計したチェーンを構築するという。
JSCは、イーサリアムアプリケーションのスムーズな導入が可能だという。JSC チーフアーキテクト・カーブグリッド ジェフ・ウェントワース氏は、「完全にイーサリアムと連携できるkaiganは、日本が主導するブロックチェーン基盤の未来の出発点です」と話す。また、イーサリアムからのセキュリティ波及効果や本体への貢献が可能だ。ブロックチェーンの基本的な仕組みを保持したまま、バリデータについてのみホワイトリストで管理する。トークンの名前は「JETH」、GENESIS供給量は500億、ガス代は安定的に運用可能だという。ブロック生成は6秒となる。
今回のJSCテストネット公開により、エンジニアは、既存または新規アプリケーションのテストや、2026年に予定されているメインネットの提供開始に向けたアプリケーション準備を行うことができる。また、今回初めて公開したテストネットには「Kaigan」という名称を付けた。さらに、Mizuhiki スイートの主要コンポーネントである「Mizuhiki アイデンティティ」のハンズオンデモを公開している。
「Mizuhikiスイート」は3つのレイヤーで構成
1秒で完結可能なeKYCを体験
web3アプリケーション開発で最も課題を感じるのは、個人情報保護とセキュリティ・本人確認、規制・コンプライアンス、スムーズなUX・オンボーディングであり、その3つで47%を占める。JSC シニアプロダクトマネジャー 寺西 正樹氏は、15年のFinTech企業での経験があるが、低コストかつユーザーの負担を最小限に抑えながら本人性を担保することは常に大きな課題だったという。Mizuhikiスイートは、これらの課題を解決することを目的としているが、単なるeKYCツールキットにとどまらないとした。
「Mizuhikiスイート」はJSC上に構築しており、「Mizuhikiアイデンティティ」「Mizuhikiコンプライアンス」「Mizuhikiリスクマネジメント」の3つで構成される。
最低限のAML審査実施
金融庁のガイドラインに準拠
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