2025年10月10日8:00
東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センターでは、2025年8月26日、「次世代個人認証技術講座シンポジウム」を開催した。三菱UFJニコスでは、同社社内や銀行のカフェ、東京大学生協などで「ライフスタイル認証」を活用したウォークスルー決済やポイント付与などの実証実験を行ってきたが、今後も活用の可能性を探っていくそうだ。
社会に活用される技術の 開発に取り組む
決済以外の分野でも活用期待
ソーシャルICT研究センター次世代個人認証・行動解析技術講座では、日々発展する社会システムと調和・融合し、利用者にとって安全で快適な情報セキュリティ技術の確立を目指してきた。社会連携講座として連携企業の協力を得て、次世代の個人認証技術であるライフスタイル認証を軸に、さまざまな応用事例を視野に入れつつ、実際に社会に活用される技術の開発に取り組んできたという。
「ライフスタイル認証」は、個人を識別するための知識・所持・身体的特徴に続く第4の手法として、スマートフォンの位置情報やWi-Fi情報、サービスの利用履歴などを活用した新しい個人認証技術だ。2018年8月に東大と三菱UFJニコスなど4社が開設した「次世代個人認証・行動解析技術社会連携講座」で実用化に向けた研究開発を進めてきた。
シンポジウムでは、当講座の最終期に当たり、ライフスタイル解析と認証技術に関する研究成果と社会実装に向けたこれまでの活動及び今後の展望について、研究の関係者より発表された。
パネルセッションでは、パネルディスカッション「ソーシャルICTと個人認証技術が拓く未来」には、三菱UFJニコス シニアエグゼクティブフェロー 鳴川 竜介氏、TOPPANデジタル フェロー 藤沢 修氏、日立製作所 研究開発グループサービスシステムイノベーションセンタ 主管研究員 高橋 健太氏、三菱電機デジタルイノベーション 取締役 重野 俊浩氏、東京大学 ソーシャルICT研究センター准教授山口 利恵氏が登壇し、モデレーターはソーシャルICT研究センター長,教授の谷川 智洋氏が務めた。
三菱UFJニコスでは、個人認証技術を確立し、安心・安全な電子商取引の実現に向けて協力する目的として、同プロジェクトを支援してきた。鳴川氏は、「ライフスタイル認証」について、「決済でも期待していますし、それ以外でも個人の購買データを基にしてユーザーへのサービス提供であったり、付加価値をつけていくことは止めていけません」と話し、今後も同取り組みを応援していきたいとした。
ビーコン実証実験からカメラ連動の特許取得
日常行動時の高い認証率を実現
同社では、三菱電機デジタルイノベーションなどの協力を得て、ライフスタイル認証の実証実験も行っている。例えば、スマートフォンを活用した実証実験では、ビーコンやカメラを利用して端末を検知する実験などを重ねてきた。
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