ソウル・キャッシュレス見聞記2025(第1部) (1)韓国・ソウルへの旅

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2025年10月24日8:20

 

和田 文明

プロフィール

キャッシュレス、電子マネー関連のジャーナリスト/ライター、主に欧米、アジアのセキュリティを含むキャッシュレス情報、カスタマーロイヤルティプログラム情報を取材

小生、2020年に発生したCOVID-19(コロナウィルス)のパンデミック禍以降、海外への渡航の機会がめっきり減ってしまった。COVID-19(コロナウィルス)のパンデミック禍以前には、アジア、ヨーロッパ、北米とキャッシュレス先進国を中心に年数回海外へのキャッシュレス見聞旅行に行っていたが、COVID-19(コロナウィルス)のパンデミック禍以降は2022年の韓国・ソウルと2023年の北欧、ベネルクス3カ国、ドイツといったヨーロッパのわずか2度だけである。

 今回はソウルで国際切手展Phila Korea2025(写真)が開催され、文献部門への出品もしているので、9月18日から21日まで3泊4日で韓国・ソウルを訪れることにした。前回(2022年)からまだ3年程しかたっていないが、その後の韓国のキャッシュレス事情も見聞することとした。韓国はクレジットカードを中心とするキャッシュレス先進国であり、クレジットカードがキャッシュレス化をけん引しているという点では、日本のキャッシュレス化に近い。

 “ソウル・キャッシュレス見聞記2025”は、第1部6編(10月より掲載)、第2部7編(12月より掲載)に分け、韓国・ソウルのキャッシュレス事情を紹介してみたい。

(写真) 国際切手展Phila Korea2025

本“ソウル・キャッシュレス見聞記2025 第1部、第2部”は、ペイメントナビ15周年特別企画“キャッシュレス8割ビジョン”の第1弾としてお届けするものです。

“ソウル・キャッシュレス見聞記2025”第1
(1)韓国・ソウルへの旅
(2)韓国のキャッシュレスの現状について(上、下)
(3)NAMANEWOWPASS
(4)Eximbay(エキシンベイ)
(5)日系ビジネスホテルの東横インソウル永登浦に泊まって
(6)韓国の観光アプリ

<韓国の概要> (日本の外務省のHPより)
国土面積:約10万平方キロメートル(朝鮮半島の45%、日本の約4分の1)
人口:約5,156万人
GDP(名目):1兆6,643億ドル(2022年度)
経済成長率(実質GDP成長率):1.4%(2023年度)
公用語:韓国語
通貨:韓国ウォン(1ウォン=約0.1円)

<参考文献・資料>
・Annual Report 2024、韓国銀行(Bank of Korea)
・Payment and Settlement System Report 2021、韓国銀行(Bank of Korea)
・Payment and Settlement System Report 2023、韓国銀行(Bank of Korea)
・韓国観光公社の各種パンフレット
・韓国銀行(Bank of Korea)のHP
・JAL(日本航空)のHP
・韓国観光公社のHP
・NAMANEのHP
・WOWPASSのHP
・韓国銀行(Bank of Korea)のHP
・Euromonitor InternationalのHP
・The Credit Finance Association of KoreaのHP
・K-ETAのHP
・The Credit Finance Association of KoreaのHP
・東横インのHP
・大和ロイヤルグループのHP
・k.rideのHP

ソウル・キャッシュレス見聞記2025 韓国・ソウルへの旅 第1

韓国・ソウルへの旅(第1部)1回目は、今回の私の3泊4日の韓国・ソウル旅行の“旅程”(Itinerary)について紹介してみたい。日本と韓国との間には、JAL(日本航空)や全日空、大韓航空などのナショナルフラッグの大手航空会社のほか、多くのLCC(Low Cost Carrier、格安航空)が就航している。また、福岡市と釜山、山口県下関と釜山間には高速船やフェリーも就航している。今回の韓国ソウルへの旅は、旅費を安くすることもあって、やや複雑な旅程をとった。また、宿泊ホテルもNHKの日本語放送が視聴することができて、国際切手展の会場にも地下鉄1本で行ける格安な日系ビジネスホテルに宿泊することにした。この辺の事情は、1部5回目の“日系のビジネスホテルの東横インソウル永登浦に泊まって”で紹介してみたい。加えて、JALのエンベデット・ファイナンスの1つであるであるJALの海外旅行保険への加入についても紹介してみたい。

今回の韓国・ソウルへの旅は、コストを抑えるために、変則的なルートを選択した。行きは、JAL(日本航空)のマイレージ特典を利用することにした。往復15,000マイルで、片道の場合は7,500マイルで、福岡空港(午前11時)-東京国際空港(午後7時30分)-金浦国際空港(午後9時50分)ルートで搭乗することができる。JAL(日本航空)やANA(全日空)のマイレージの国際航空特典は、規約が変更され、搭乗時期や予約時期などによって特典航空券とのポイント特典の交換レートが大きく変動するようになっている。福岡‐ソウル間はJAL便が就航していないので、JAL便(写真)を使い東京・羽田経由でソウルへ行くことができ、必要とするマイルは東京‐ソウル間と同じである。

(写真)JAL(日本航空)、福岡空港

日本と韓国間の特典航空券は、基本レートは国際線の中では最もレートは低く、国内線の特典航空券と同じで往復利用の場合で15,000マイル、片道だと7,500マイルであるが、人気の週末だと往復35,000マイル、片道で17,500マイルを要するようになっている。今回の特典航空券は、搭乗の4か月前の予約で、片道7,500マイルと、最も有利な特典航空券をゲットすることができた。

羽田空港では乗り継ぎ時間を多めにとって、羽田空港第1ターミナル5階の特設会場で開催されていた羽田空港展(THE HISTORY OF HANEDA空がつなぐ)を参観したほか、高輪ゲートウェイにも足を延ばしてみた。また、早めに羽田国際空港ターミナル(第3ターミナル)もどり、搭乗手続きを済ませ、JALのエリートプログラムのグローバルクラブ(JGC4スター)の特典で、エコノミークラスの航空チケットではあったが、ビジネスクラス用のJALの空港ラウンジ(サクララウンジ)で搭乗を待った。ソウルの金浦国際空港に着いたのは午後10時頃であった。羽田―金浦間のフライト時間はおよそ2時間半であったが、東京での寄り道を含めると、およそ11時間を要したことになる。

(写真) 羽田空港展(THE HISTORY OF HANEDA空がつなぐ)※ちなみに空港の搭乗においては、無料アップグレードにより、エコノミークラスがプレミアムエコノミークラスへアップグレードしてくれた。

帰りの航空チケットは、特典航空券との交換レートが通常の3倍以上と高いJAL便を諦め、ソウルから福岡への直行便を運航しているKAL(大韓航空)(写真)を利用することにした。ソウル‐福岡間には、(表)のようにKAL系のジンエアーやチェジュ航空、エアプサン、エアソウル、ティーウェイ航空、イースター航空など多くの韓国系のLCC(Low Cost Carrier、格安航空)が就航しているが、JALと同じフルサービスキャリアであり、レガシーキャリアであるあるKALを選んだ次第である。ソウル‐福岡はLCCを含め仁川国際空港からの発着であり、ソウル市内からは空港鉄道を利用して仁川国際空港(大韓航空は新しいターミナル2)へ向かった。フライトは、仁川国際空港が午後6時40分、福岡国際空港着が午後8時であった。フライト時間は1時間20分で、行きの福岡―羽田―金浦ルートに比べて大幅な時短となった。

(写真)KAL(大韓航空)、仁川国際空港

(表)福岡‐ソウル間に就航している航空会社

フルサービスキャリア (FSC)

大韓航空 (Korean Air)

スカイチームに加盟

アシアナ航空 (Asiana Airlines)

スターアライアンスに加盟

LCC

(格安航空会社)

チェジュ航空 (Jeju Air)

韓国のLCCのパイオニア

ジンエアー (Jin Air)

大韓航空の子会社

ティーウェイ航空 (T'way Air)

 

エアプサン (Air Busan)

アシアナ航空系列

エアソウル (Air Seoul)

アシアナ航空系列

イースター航空 (Eastar Jet)

 

各種資料より作成

国際航空アライアンスのスカイチームに属する大韓航空(Korean Air)は、2024年12月にスターアライアンスに属するアシアナ航空(Asiana Airlines)の株式の63.88%を取得し、アシアナ航空を子会社化している。アシアナ航空は、大韓航空の子会社として約2年間の準備期間を経て、2027年をめどに大韓航空との正式な統合(完全合併)を目指している。両社の統合が完了すれば、売上高24兆ウォン(約2.4兆円)規模の世界トップ10に入る巨大航空会社が誕生する。両社のマイレージプログラム(大韓航空のスカイパスとアシアナ航空のアシアナクラブ)は、アシアナ航空の子会社期間中は独立して運営される予定であるが、最終的な統合航空会社の発足時には大韓航空スカイパスに統合されるものと思われる。ちなみに、JAL(日本航空)はワンワールド、ANA(全日空)は アシアナ航空と同じスターアライアンスに属している。

ソウル‐福岡間のKALの航空チケットは、旅行の5カ月前にKALのオンラインサイトから予約と購入手続きを直接行った。航空運賃は税金や燃油特別付加運賃込みで、167,500ウォン(約1万6,750円)で、安価で購入することができた。ソウル-福岡間のフライトは需要が高いため、LCCを含め各航空会社が熾烈な競争を繰り広げており、航空運賃の低価格化だけでなく、フライト数の多さ、早朝便、深夜便など運航時間の多様性といった点でも、利用者の利便性が向上している。代金決済はVisaのクレジットカードで行い、eメールを介した3-Dセキュアのワンタイムパスワード認証を行うことが求められた。

ソウル‐福岡間のKAL便は、ビジネスクラスとエコノミークラスの設定であるが、エコノミークラスの一般座席よりも足元のスペースが広い“エクストラレッグルームシート”と乗り降りに便利なエコノミークラスの前方座席(前方プリファード)がオプションで選ぶことができる。予約時に9席のみが設定されている“エクストラレッグルームシート”を選択した。このオプションは30,000ウォン(約3,000円)の追加料金が別途必要で、同じくクレジットカードで決済した。このように人気のエコノミークラスの座席をオプションで別途プレミアム価格で販売する手法はLLCなどで行われている。

JALのエンベデット・ファイナンス、JALの海外旅行保険

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