公共施設・インフラでのセキュリティトークン共同研究(TMI/TIS/SMTRI)

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2026年5月29日8:39

TMI総合法律事務所(以下TMI)、TIS、三井住友トラスト基礎研究所(以下SMTRI)は、公共施設・インフラにおけるセキュリティトークン(以下ST)に関する共同研究を実施し、このほど、その初期的な検証結果を公表した。

TMI、TIS、SMTRIの3社は、各社の専門性を活かし、公共施設・インフラのST化について、法的・経済的・技術的観点からの課題整理および社会実装に向けた論点の明確化を目的として、「公共施設・インフラのST化に関する共同研究会」を立ち上げた。

近年、廃校や寄付財産などの行政保有不動産の有効活用や、地方経済の新たなけん引役となるスタジアム・アリーナの整備等が全国で進んでいる。一方で、建築費の高騰や老朽インフラの維持管理に係る資金調達は大きな課題の1つとなっている。PFI(Private Finance Initiative )の推進やスモールコンセッションなど、多様な官民連携スキームが模索される中、近年はデジタルアセットの活用、特にSTの発行による市民参加型ファイナンスへの期待が高まっている。こうした背景を踏まえ、同研究会は、新たな資金循環モデルの社会実装および地域経済の持続的成長への貢献を目指して設立された。

同研究会では、アリーナ施設、公立小中学校等の廃校施設、古民家、一般道路、上下水道、太陽光発電施設などの対象施設・事業ごとに、施設等の所有主体およびアセットの移転・譲渡の可否について検証を行った。施設等の所有主体が公共である場合、基本的に施設所有権を第三者へ移転することは不可と考えられる一方、サービス対価債権や売電収入債権といった金銭債権については、契約相手方の承諾等を前提に、移転・譲渡が可能と考えられる。また、運営権については、法制度上は施設管理者等(公共)の許可を得ることで移転可能とされるものの、対象事業の内容や性質に応じた協議が必要と考えられる。表に挙げたように、アセットに直接紐づく権利等が移転可能な場合には、それらを裏付資産としてST化することができる。一方で、そうした権利等を持たない事業をST化するためには、異なる資産を裏付として検討する必要がある。

また、事業分野ごとに、キャッシュフローの安定性や採算性、投資対象としての魅力について整理した。アリーナ施設や太陽光発電施設は、一定規模の事業であり、キャッシュフローの予見性も一定程度確保できることから、投資対象としての収益性と地域性・社会性の両立が期待される領域と考えられる。一方、廃校活用事業は、個別案件ごとの規模が小さく、需要や運営内容により収益が大きく変動するため、投資商品としての収益性は限定的だ。しかし、地域参加型・応援型の性格が強く、地域貢献・社会的意義を重視する投資家には一定の魅力があると考えられる。また、上下水道などの大規模インフラは、収益の安定性が高い一方で、法制度的制約や事業規模の大きさから、ST化の対象とするには慎重な検討が必要であることが示唆された。以上より、公共施設・インフラのST化においては、アリーナ施設や太陽光発電施設のような「収益性が比較的安定している機関投資家向きのアセット」と、廃校などの「規模は小さいが地域参加型投資と親和性の高いアセット」とに大きく類型化できる可能性があると考えられる。

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