2011年9月21日11:25
大日本印刷(DNP)は、日本国内で初めてAndroid搭載端末に対応した、高セキュリティmicroSDカード「TinySmart(タイニースマート)」開発キットを2011年10月に発売すると発表した。
TinySmartは、ICカード用の高セキュリティな基本OSを搭載したmicroSDカード。同開発キットは、TinySmartとデバイスドライバなどをセットにしたもので、TinySmart を装着したAndroid搭載端末での本人認証やデータの暗号化など、ICカードと同様の機能を利用したアプリケーションの開発が容易となる。
例えば、モバイル機器からイントラネットへログインするシステムや、大容量コンテンツあるいは重要文書を暗号化して格納・表示するアプリケーション、モバイル機器を紛失した場合に機密情報を保護するセキュリティシステムなどの開発が可能となる。
開発キットのパッケージ内容は、 「TinySmart(セキュアチップ部:Standard-9 V5版またはMULTOS 4.236b版)5枚」「TinySmart開発キット クイックスタートガイド1部」「TinySmartデータシート1部」「 TinySmart用Androidドライバ(評価版、CD-Rにて提供)1式および同仕様書1部」「テクニカルサポート(TinySmartおよびデバイスドライバ動作に関するQ&A対応など6か月間)1式」となる。価格はパッケージ一式で10万円 (税抜)。
DNPは、2009年11月に、世界で初めてICカード用マルチOSを搭載したMULTOS版TinySmartを、2011年1月、DNP独自OS搭載のDNP Standard-9 V5版TinySmartを開発した。また、自社の機器やシステムで利用できるTinySmart向けアプリケーションを独自開発したいという企業ニーズを受けて、Windows環境向けのTinySmart開発キットを2011年1月に発売している。今回は、Androidの動作環境に対応したTinySmart開発キットを発売することで、その利用環境を拡大した。
DNPは、TinySmart Android版開発キットを国内外のSIerや機器メーカーなどの幅広いユーザーに販売し、TinySmartとその周辺ビジネスで、今後3年間で約15億円の売上を見込んでいる。また、TinySmartをハンディターミナルなどの業務専用端末で使用するための組み込みOS用ドライバの開発も予定している。
なおDNPは、企業での重要文書を安全に閲覧するためのソリューションとして、TinySmartと組み合わせたAndroid版アプリケーション「TinySmart ebook viewer」を開発したという。