2012年9月21日14:54
村田製作所は、3.2x 3.2x 0.7mmサイズの世界最小HF帯(13.56MHz)RFIDタグを量産開始すると発表した。同社独自の多層基板技術、高周波モジュール技術により、平面で構成するのに比べて10分の1の小型化に成功したという。2012年10月から、福井村田製作所にて量産 (100万個/月)を開始し、サンプル価格は100円(個)となる。
同社では、2008年にRFID用デバイス「マジックストラップ」を商品化し、これまで工程管理などで導入を重ねてきた。通常、RFID用デバイスはICタグとアンテナが必要であり、なかでもHF帯は低周波帯を使用することからアンテナサイズが非常に大きくなるため、小型化は難しい課題があった。
同社では、長年培った多層基板技術、高周波モジュール技術を応用し、セラミック基板内部にアンテナを構成することで、平面で構成するのに比べて10分の1の小型化に成功した。また、同製品はセラミックモジュール構造を用いているため、非常に高い耐環境性能を有し、さまざまな環境下での安定的な動作が可能となる。
同製品は、ISO/IEC15963規格に準拠したNXPセミコンダクターズ製の「ICODE SLIx」を使用し、同規格対応のリーダライタによる内部メモリからの読み込み・書き込みが行える。
同社では、小型器具・物品の追跡、管理、認証、真贋判定などの用途への利用を想定している。