2014年7月3日6:54

プライバシー保護に対する日本人の行動意識は低い?
EMCジャパンがインターネット プライバシーの意識調査結果を発表

EMCジャパンは、EMC コーポレーションが実施した、オンライン プライバシーに対する世界的な消費者意識と動向をまとめた「EMC Privacy Index」の結果を発表した。その結果、プライバシー保護に対する日本人の行動意識は15カ国/地域中最も低い結果となった。

世界15カ国/地域、1万5,000人を対象に実施
半数以上が過去に不正アクセスを経験

EMCのプライバシーインデックスの質問で日本は調査対象15カ国/地域中9位
EMCのプライバシーインデックスの質問で日本は調査対象15カ国/地域中9位

「EMC Privacy Index」は、オーストラリア/ニュージーランド、中国、日本、インド、英国、フランス、ドイツ、オランダ、中東(UAE、サウジアラビア、カタール)、イタリア、ロシア、ブラジル、メキシコ、米国、カナダ世界15の国と地域、1万5,000人の消費者を対象に実施した調査となる。

目的は、世界各国や地域のインターネット及び情報のプライバシーに関する消費者意識と行動を明らかにすること、そして、同結果を基に関係者間での質の高い情報に基づいた対話を促進することが挙げられる。

同調査では、消費者の利便性とセキュリティとのバランスについて明らかにした。また、世界で同一な質問を投げかけることにより、国民性なども把握することが可能だ。さらに、全世界での定性調査となり、基礎情報はEMCの製品に紐づけてないため、「どのベンダーでも情報を使っていただけるメリットがある」とEMC ジャパン マーケティング本部 フィールド マーケティング部長 渡辺浩二氏は話す。

「EMC Privacy Index」では、オンラインでの利用者タイプを定義するために、「一般消費者」「会社の従業員」「ソーシャルユーザー」「医療関連サービス利用者」「金融サービス利用者」「公共サービス利用者」の6つの利用者タイプを定義した。各利用者タイプについて活動のタイプによって消費者の行動が異なることを明らかにしたという。

EMC ジャパン マーケティング本部 フィールド マーケティング部長 渡辺浩二氏
EMC ジャパン マーケティング本部 フィールド マーケティング部長 渡辺浩二氏

まず、オンラインで利便性向上の代償にオンラインプライバシーを犠牲にしても良いという意識を調査するEMCのプライバシーインデックスの質問において、日本は調査対象15カ国/地域中9位となった。トップはインドで、最下位はドイツとなっているが、インドのスコア61に対して、日本は41となっており、「8位(フランス:42)から下(ドイツ:36)はおおむね同じようなところにいる」と、EMC ジャパン株式会社 RSA事業本部 マーケティング部 部長 水村 明博氏は説明する。

同調査の結果、インターネットの利便性や使いやすさとの引き換えにプライバシーを犠牲にしても良いと考えている消費者は全世界で27%、日本では33%となった。また、消費者はデジタル技術の利便性に高い価値を置いている一方で、その代償にプライバシーを犠牲にすることは避けたいと考えているようだ。

さらに、半数以上が電子メール アカウントのハッキング、モバイル デバイスの紛失/盗難、ソーシャルメディア アカウントのハッキング、クレジットカードの盗難/不正利用等データへの不正アクセスを経験しているが、その一方でデータのプライバシーを保護するために必要な対策を行っていないという。

日本はプライバシー保護の対策が不十分
将来的なプライバシーレベルに対する信頼度はさらに低下

また、全体の59%が1年前と比べて現在の方が、プライバシーが低下していると回答。さらに、消費者は、今後5年間においてソーシャルメディアでプライバシーを維持することは非常に難しくなるだろうと考えているそうだ。

日本はプライバシーに対する意識が低い結果に
日本はプライバシーに対する意識が低い結果に

なお、日本については、「プライバシー保護の対策が特筆して悪かった」と水村氏は話す。例えば、世界の62%がパスワードを定期的に変更していないが、日本は77%で最下位となった。また、世界の33%がソーシャルネットワークのプライバシー設定をカスタマイズしていないが、日本は50%で最下位となっている。さらに、世界の39%がモバイル デバイスをパスワードで保護していないが、こちらも日本は64%で最下位となっている。

今回の調査では、消費者、企業、テクノロジー プロバイダの立場が色濃く反映された3つのパラドックス(矛盾)が明らかになったそうだ。まず、消費者はデジタル技術のあらゆる利便性とメリットを求める一方で、個人のプライバシーが少しでも損なわれることを避けたいと考えているという(「すべてが欲しい」のパラドックス)。また、プライバシーのリスクは多くの消費者に直接影響を及ぼすが、大部分の人はプライバシーを保護するための対策を自分では行わず、保護責任を行政と企業に求めているそうだ(「何もしない」のパラドックス(矛盾)。さらに、ソーシャルメディア サイトのユーザーは、プライバシーの重要性を理解しており、個人情報の保護について組織や企業をあまり信頼していないにも関わらず、多量の個人情報を他の人と共有しているという「ソーシャル環境での共有」のパラドックス(矛盾)。現状、世界的なプライバシーの信頼度は低く、将来的なプライバシーレベルに対する信頼度はさらに低い結果となった。

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EMC ジャパン RSA事業本部 マーケティング部 部長 水村 明博氏

EMCジャパンでは、企業・組織がよりプライバシー保護を重視した取り組みを行うこと、消費者は「自分のプライバシーは自分で守る」という意識を持つことが必要であるとしている。

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