2014年9月4日8:22消費者への接客を重視したタブレット活用のPOSレジを発売POS業務とバックオフィス業務の同一端末処理を実現
日本NCRは、店舗の接客にタブレットPOS端末を活用したウェブベースのプラットフォーム採用のソリューション「NCR RES MeX(アールイーエス エムイーエックス)」を発表した。消費者を中心とした、オムニチャネルの接客端末として、POS業務、接客業務、バックオフィス業務、データ分析など、さまざまな活用が行えるという。
コンシューマーがベンダーやデータをコントロールする時代になる?
消費者を中心とした店舗オペレーションの構築を目指す
日本NCRは、世界各国でオムニチャネルソリューションを提供している。同社では、「コンシューマーの消費体験をベストにすることがオムニチャネルに必要」と考えており、「今までのシングルチャネルではなく、複数の販売チャネルをシームレスに行うことにより顧客体験を満足にしてお客様を増やす」ことを意識していると日本NCR 代表取締役兼CEO 諸星俊男氏は説明する。
また、従来のCRMはもちろん、消費者がさまざまな自分のデータを保有して提供者を選択し、提供者にさらなるデータを公開して提案を求める「VRM(Vender Relation Management)」が今後は求められるとしている。「コンシューマーがベンダーやデータをコントロールする時代になる」(諸星氏)
発売を開始する店舗向けソリューション「NCR RES MeX」は、「弊社が世界で初めて、NCRグループでも初めて」販売するソリューションになるそうだ。
具体的な特徴としては、①マルチプラットフォーム対応、②多機能端末、③タブレットベースのインターフェース、④店舗、売り場環境に応じた機器の配置が可能、⑤POS周辺機器共有による資産の有効活用――といった点が挙げられる。消費者を中心とした店舗オペレーションの構築をめざし、「接客を重点に置いている」と日本NCR 流通ビジネス事業部 リテールマーケティング 部長 池田裕之氏は特徴を述べる。
ホストPOSとタブレットは1対nで構成
10月からスマホ決済端末と連携
「NCR RES MeX」は、ウェブベースのプラットフォームを採用し、POS業務とバックオフィスの業務を同様の端末で処理することが可能となる。また、専用端末に加え、タブレット端末でも全く同じ操作可能だ。従来PC端末で行っていた顧客管理、データ分析や商品管理もタブレット上で行うことができるそうだ。
また、ホストのPOSと、タブレット端末は1対nで構成。このため、POS周辺機器の資産の有効活用、コスト削減、また、売り場環境、催事など、さまざまな活用シーンに応じて柔軟に機器を構成、配置することができるという。
例えば、ビジネスロジックを本部サーバに置き、タブレット端末とLANプリンター、決済端末のみで店舗運営も可能となる。一方で、店舗内にストアコントローラを配置し、オペレータディスプレイを設置することにより、通常のPOS端末同様の構成を組むことも可能だ。なお、10月から連携するクレジットカード決済システムでは、インジェニコの端末とBluetoothで通信する予定だ。
「PA-DSS Version3.0」に国内で初めて準拠予定
従来のPOSよりも競争力のある価格で投入
顧客システム、在庫管理システムなどのアプリケーションとのシームレスな連携を実現したことにより、店舗の各シーンにおける消費体験を向上させるという。例えば、顧客の来店時にカードをスキャンすれば会員情報を閲覧でき、嗜好などの事前把握が行える。また、色違いやサイズ違いなどの在庫検索もタブレット上で可能となる。
なお、POSのセキュリティについても強化しており、ペイメントカードの国際セキュリティ基準である「PCI DSS」の関連規格であり、POSアプリケーション基準を定めた「PA-DSS Version3.0」に国内で最初に準拠する予定だ。
タブレット端末を活用した「チェクアウト」の仕組みなど、ネット決済との連携については、消費者が追い付いていないため時期尚早とみている。
導入コストについては、従来のPOSと比較しても安価で競争力のある価格体系を実現しているそうだ。