2016年1月26日0:20
大日本印刷(DNP)は、DNP柏データセンターで運用するクラウド基盤サービス「MediaGalaxy(メディアギャラクシー:MG)クラウド」で、ペイメントカード業界の国際的なセキュリティ基準「PCI DSS」の最新バージョンVersion 3.1の認証を取得した。DNPは、金融機関や決済代行を行うサービスプロバイダなど、機密性の高い情報を取り扱う企業に同サービスを提供し、2020年度までの5年間で約100億円の売上を目指す。
今回の認証取得により、MGクラウドを利用してクレジット決済関連の事業を行う企業は、ハードウェアやデータセンター設備に関する認証取得が不要となり、ソフトウェア関連の認証取得だけで、PCI DSSに準拠したサービスを行うことができるため、認証取得までの時間や作業負荷を大幅に軽減できるという。
近年、生活者の利便性と効率を高めるキャッシュレス決済の普及が進み、スマートフォンなどのモバイル機器でクレジットや電子マネーの決済サービスもスタートしている。これらの決済サービスのセキュリティを高めていくため、関連するサービスを展開する企業にはPCI DSSに準拠したシステムの構築と運用が求められており、今後はPCI DSS認証の取得が必須要件となってくる。しかし同認証は、データ管理用のハードウェアやネットワーク、基本ソフトウェアやアプリケーションなどの構築・運用に関わるすべてにおいて、細かく定められた基準への準拠が求められ、サービスごとに認証を取得することは、企業にとって作業的、費用的に大きな負担となる。
この課題に対してDNPは今回、DNP柏データセンターのMGクラウド上に、PCI DSS Version 3.1に準拠したクラウド基盤を構築した。クラウド基盤においてPCI DSS認証を取得しているため、クレジット決済関連の事業を行う企業は、OS(Operating System)やアプリケーションといったソフトウェア層において認証を取得するだけで、PCI DSSに準拠した決済サービスの運用を迅速且つ低コストで開始することが可能だ。