2016年12月7日9:06
カメラやバーコード/QR読み取り機能が付いた「V1」、自動販売機向けの決済端末等を販売
台湾のCastles Technology Co.,Ltd.(キャッスル・テクノロジー)は、日本国内でも決済端末の販売台数を伸ばしている。2016年には「V1」、「S1」といった新端末を投入。また、各企業のニーズに対応可能なODM(Original Design Manufacturing)とOEM(Original Equipment Manufacturing)プロダクトの提供にも力を入れる方針だ。さらに、自動販売機向けの決済端末の導入を進めていく。
市場の要望を受け開発された「V1」
一台の端末でさまざまな機能を提供可能
決済端末、PINパッド、コンタクトレスリーダを製造するCastles Technologyの製品は国内でもさまざまな企業が取り扱っている。これまでは「VEGA3000」等の商品を販売してきたが、その実績と販売事業者などの声をまとめた製品として「V1」を開発した。同製品を市場に投入することで、「2015年までに比べ、2016年以降は10~15%の売上を伸ばしていきたいです。日本では『VEGA3000』が浸透してきましたが、よりグレードが高い商品を紹介できます」とCastles Technologyエグゼクティブ・セールス・マネージャーのJason Chiang氏は意気込みを見せる。現在、「V1」はプリセールの段階で、2017年から本格的に販売を開始する。
「V1」は指紋認証、スピーカー機能を端末に搭載。また、カメラ機能を搭載しており、国内でも要望が高まっているバーコード/QR決済に対応可能だ。Jason Chiang氏は、「従来、バーコードによる支払いは、リーダーをUSBで接続して使用するケースが多かったですが、それを1つのデバイスで提供できます」と説明する。また、倉庫の在庫管理なども行える。当然、日本で普及している非接触IC技術であるFeliCaにも対応が進められる。
Androidをベースとした「S1」
ODMとOEMのタブレット端末も提供
「S1」は、Androidをベースとして決済端末だ。「VEGA3000」はLinuxベースの製品だが、Android製品を使用したことがある人が操作しやすいような設計を意識した。端末の機能は、QRコード、カメラ、指紋認証などを搭載。決済システムのため、セキュリティを重視した商品となっており、アプリケーションおよびCPUを通しての二段階のセキュリティを構築している。「S1」は2016年12月から日本国内でプリセールスを開始し、2017年の第二四半期から本格的に販売を開始する予定だ。
さらに、ODM(Original Design Manufacturing)とOEM(Original Equipment Manufacturing)のタブレット端末も提供する。導入企業の要望によって、接触、コンタクトレス、磁気の決済、カメラ機能などを搭載可能だ。同端末を使えば、レストランのオーダー、テーブルチェックなど、総合的なサービスに決済機能を組み込んで使用することもできる。Jason Chiang氏は、「各企業が必要なアプリケーションをどんどん取り込んで、使っていただくことが可能です」と話す。
自動販売機向けの決済端末はセキュリティの高さで差別化を図る
テンキー付きで、PCI PTS 4xの認証を取得
それに加え、日本市場での伸びに期待する商品がベンディングマシン(自動販売機)向けの決済端末だ。日本では自動販売機が非常に多く、“セキュリティも兼ね備えた商品”として販売を強化している。
同端末は、テンキーを搭載。Jason Chiang氏は、「PCI PTS 4xの認証を取得した初のベンディングマシン向けの端末であり、他のメーカーに比べて高いセキュリティが特徴となっています」と自信を見せる。日本でもベンディングマシン向けの決済端末を提供するグローバル企業がビジネスを開始しているが、セキュリティの高さにより、差別化できるとみている。
同製品はNFCやバーコードによる支払いにも対応可能だ。また、2016年1月末までにはFeliCa機能にも対応する計画となっている。
※取材は2016年11月29日~12月1日まで、フランス・カンヌで開催された「TRUSTECH(トラステック)」にて