2017年10月19日8:20
使いやすいポイント化の流れは、独自ポイントにも求められるようになるだろう。ただし、独自ポイントの場合は、交換できる商品やサービスを大幅に増やすことは難しい。そこで、一気に交換できる商品を増やす方法に、ポイント交換という方法が存在する。
クレジットカード会社のポイントも使いにくいポイントとなる。ある程度のポイント数が貯まらなければ交換できず、交換先としてはカタログ商品やギフト券への交換が主流だった。しかし、近年追加されているのがAmazonギフト券やiTunesギフトコードへのポイント交換だ。Amazonギフト券やiTunesギフトコードに交換すると、Amazon.co.jpでの買い物や、iTunesで音楽の購入等に利用することができ、一気にポイントの利用先を増やすことができる。
ただし、ポイント交換を1社ずつ提携するのは大変だ。提携の都度、交換先企業の仕様に合わせてポイント交換のシステムを作り込む必要がある。そこで、登場するのがポイント交換サイトとなる。ポイント交換サイトへの交換を1度追加するだけで、マイレージ、電子マネーのポイント、共通ポイント、銀行への出金などに交換先を広げることが可能だ。
ポイント交換サイトは古くから存在し、2001年からGポイントやネットマイルが、2005年に携帯電話でのポイント交換サイトであるポイントオンが開始した。2007年にサイバーエージェントがPeX(現在はVOYAGE GROUPによる運営)を開始し、2015年4月にはサイバーエージェントがドットマネーを開始した。サイバーエージェントが使いやすいポイント化の流れを受けてドットマネーを開始したのかは不明だが、ドットマネーは交換元が30、交換先が20と順調に増えているようだ。
もうひとつポイントを使いやすくする方法として、auがWALLETポイントに切り替えた時に開始したau WALLETプリペイドカードのような国際ブランド付きのプリペイドカードの発行がある。プリペイドカード発行を行っているポイントサイトも増えている。まずは、ポイントサイトの仕組みから紹介しよう。
サイトを経由してショッピングしたり、資料請求などでポイントを獲得できるサイトはポイントサイトと呼ばれている。ショッピングや資料請求のほか、掲載されている広告をクリックしたり、ゲームに参加したり、友達を紹介するなどでもポイントを獲得できる。
これらのポイントサイトは2004年ごろから急速に増え出した。2004年には「ECナビ」「ちょびリッチ」、2005年には「モッピー」「げん玉」「ポイントメール(現ポイントタウン)」、2006年には「ポイントインカム」、2007年には「ドル箱(現ハピタス)」が開始するなど、大小さまざまなポイントモールが誕生した。
これらのポイントの原資は、成果報酬型の広告費で賄われている。利用者がポイントサイトを経由してショッピングすると、ECサイトからポイントサイトに紹介料が支払われる仕組みとなる。この紹介料の一部を利用者に還元しているにすぎない。そのため、参入障壁が低く、ポイントサイトが爆発的に普及したのだ。
(レポート「ポイントカード・ロイヤリティマーケティング市場要覧」より)