2017年11月17日8:18
ホテルやホテルチェーンのカスタマー・ロイヤリティ・プログラムであるFSP(Frequent Stayers Program)も、航空会社のFFP(Frequent Flyers Program)と同様に、ホテルやホテルグループを贔屓にしてくださる顧客を囲い込むマーケティング・プログラムで、近年プログラムが飛躍的に拡充され、航空会社やレンタカーなど旅行関連の企業とタイアップし、その多くのプログラムが連合ロイヤリティ・プログラムの機能を有するようになってきた。
多くのFFPがクラス制のエリートプログラムを導入
また、FSPの多くは、FFPと同様によく利用してくださる顧客に特別のサービスを提示する「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」などの3クラス制や4クラス制のエリートプログラムを導入している。
ホテルにはスイートルームやセミスイートルームがあり、航空機にはファーストクラスやビジネスクラスがあるように、サービスの差別化が行われているので、FSPとFFPではエリートプログラムが重要な役割を果たしている。
また、ラスベガスや澳門、韓国、シンガポールなどのカジノホテルのFSPは、特典満載の充実したエリートプログラムを導入し、ホテルの宿泊のみならずカジノにおけるプレーやレストランなども特典ポイントの対象とし、カジノプレーヤーのロイヤルティの獲得を図っている。
有力なホテルチェーンの稼働率は25%程?
世界の有力なホテルグループは、ホテルの形態などにより複数のホテルブランドを展開しているが、カスタマー・ロイヤリティ・プログラムであるFSPは極力統合を図っている。
インターコンチネンタルやクラウンプラザ、ホリデイ・インなど11ブランドを展開しているInterContinental Hotels Group(IHG)は、FSPのIHG Rewards Clubを展開。こうした有力なホテルグループやホテルチェーンのFSPの会員数は2015年末で3億4,400万人にも達し、前年の2014年比で13.1%増加していると言われている。
その一方で、プログラムの稼働率はおよそ4分の1と推計されている。また、航空会社のFFPも80%がアクティブなメンバーではないと見なされている。
2015年末で最もFSPの会員数が多いのがInterContinental Hotels Group(IHG)で、9,200万人以上と言われ、次いでスターウッドホテル&リゾートワールドを傘下におさめたMarriott Hotel Internationalで、7,500万人以上と言われている。
※「ポイントカード・ロイヤリティマーケシング市場要覧」より