2017年11月15日8:13

連合ロイヤリティ・プログラムの要素を高めるFFP

航空会社のFFP(Frequent Flyers Program)は、ホテルやレンタカーなどの旅行関連やデパート、通信、クレジットカードなど多彩な業種との連携によりますます連合ロイヤリティ・プログラムの要素を高めている。今回は「ポイントカード・ロイヤリティマーケシング市場要覧」より、航空会社のFFPの歴史について、紹介する。

2000年代には収益を生む付帯ビジネスとして注目

世界で初めてFFP(Frequent Flyers Program)が登場したのは、今から35年以上前の1981年である。カーター大統領政権によって航空自由化政策が導入され、1978年にアメリカで施行された航空規制緩和法により、アメリカの航空業界では新規に多くの航空会社が参入し、熾烈な価格競争が繰り広げられるようになった。こうした環境の中、アメリカの大手航空会社であるアメリカン航空が利益を確保するために優良顧客の囲い込み、激しい競争環境の中での勝ち残りを図るために、1979年より導入の検討を重ねてきたいわゆるFFPをAAdvantageというネーミングで1981年5月1日に導入した。

1972年に始まったユナイテッド航空のウェストダイレクトマーケティングによる顧客サービスや1979年に始まったテキサスインターナショナルエアーラインによる同じようなプログラムの導入が伝えられているものの、優れたコンピューティングシステムのもとに本格的に導入されたのはAAdvantageが最初である。

2000年代に入るとFFPは航空会社にとってマーケティング・ツールにとどまらず、収益を生む付帯ビジネスとして注目されるようになり、キャセイパシフィック航空などのように将来の収益機会の拡大を目指してFFP部門を別会社にスピン・オフ(Spin-Off)したり、エアーカナダのAeroplanやブラジルのTAMのMultiplusのようにFFPをスピン・オフ(Spin-Off)し、株式を公開する企業も登場している。アジアや東ヨーロッパ、中東、アフリカなどの発展途上国や新興国では、有力な連合プログラムが育っていない国が多く、これらの国では航空会社のFFPがその国の有力な連合プログラムとしての役割を担っているケースが多い。

複数の航空会社が同じFFPを共有するケースも

また、当初は航空会社ごとにFFPを組成し、自社のマーケティング・ツールとしてFFPを活用していたが、ヨーロッパや中国などでは買収や資本参加などによる有力な航空会社によるグループ化により、複数の航空会社が同じFFPを共有しているケースが増えている。さらに、スピン・アウトにより、航空会社の付帯事業であったFFPが航空会社から独立し、他の航空会社と連携するケースも増えている。従来、FFPには積極的ではなかったLCC(Low Cost Carrier、格安航空会社)の中には、Air AsiaのBIGのようにFFPを導入する大手LCCも現れている。

なお、1990年代に航空会社間のタイアップによるコードシェア便と呼ばれる航空機の共同運航やFFPや空港ラウンジの総合提携が活発に行われるようになり、複数の航空会社が提携する企業アライアンスへと発展していった。1997年5月にスターアライアンス(Star Alliance)が、1999年2月にワンワールド(One World)が、2000年6月にスカイチーム(Skyteam)がそれぞれ結成されていった。このほかにも、2015年に結成されエアモーリシャスなど5つの航空会社が参加するVanilla Allianceや、2016年に結成され香港エキスプレスなど5社が参加するU-FLY Alliance、同じく2016年に結成されタイガー航空やバニラエアーなど8社のLCC(Low Cost Carrier、格安航空)が参加するValue Allianceなどがある。

なお、世界の空港では、同一アライアンスの航空会社間の乗り継ぎや空港カウンターや空港ラウンジの共用をスムーズに図れるように、航空アライアンスごとの空港の再整備が行われている。航空アライアンスでは、FFPによる特典航空券の入手やFFPのエリートプログラムのステータスの共通化により、エリートステータスを有する顧客への加盟航空会社における空港ラウンジサービスや優先搭乗サービス、手荷物の預入無料サービスなどが行われている。全日空(ANA)は1999年10月にいち早くスターアライアンスに加盟したものの、日本航空(JAL)がワンワールドに加盟したのはその8年後の2007年4月である。

※「ポイントカード・ロイヤリティマーケシング市場要覧」より

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