2017年12月11日7:00
増加する外国人旅行者に対し、充実した決済サービスを提供へ
決済処理事業者のルミーズは、クレジットカード会社の三井住友カードと連携し、店頭向け決済サービス「pCAT」において、外貨建て決済(DCC:Dynamic Currency Conversion)および銀聯カード決済(IC対応)の対応を開始した。2017年12月8日と9日に開催された「まちてん」(主催:まちてん2017実行委員会)において、同サービスを発表している。
カード会社の三井住友カードと連携
DCCは「自国通貨建て」か「日本円建て」を選択して決済が可能
ルミーズでは、2014年から、iPhone・iPadやWindowsパソコンがカード決済端末になる決済サービス「pCAT」を展開している。今回、三井住友カードと連携し、外貨建て決済サービスおよび銀聯カード決済(IC対応)に対応したのは、増加する外国人旅行者へのサービス拡充が目的としてあったそうだ。
外貨建て決済は、iPhone・iPadに表示された「自国通貨建て」か「日本円建て」を選択しての支払いが可能だ。「pCAT」端末で読み取ったクレジットカード情報より、発行国の通貨を特定し、その時点の為替レートで自国通貨に変換された実際の請求額が提示される。
「mPOSの魅力として、自国通貨か円建てかを選択する際、スマートフォンをお客様に向けて、お選びいただけるのがポイントです。スマートフォンにはレートやマークアップフィーなどがすべて表示されます」(ルミーズ 専務取締役 佐藤有道氏)
取り扱い通貨は、米ドル、ニュー台湾ドル、香港ドル、オーストラリア・ドル、タイ・バーツ、UKポンド、シンガポール・ドル、カナダ・ドル、ユーロ、マレーシア・リンギット、フィリピン・ペソ、インド・ルピー、ロシア・ルーブル、ベトナム・ドンとなり、グローバルブルー(Global Blue)の仕組みで実現している。
安全な決済インフラの整備に向け銀聯カードのICカードに対応
来期は1,000台の導入が目標に
また、銀聯カードのICカード決済には国内のmPOS(モバイルPOS)として、初めて対応。銀聯カードは、世界発行枚数が60億枚を超えているが、ICチップ搭載カードも増加している。国内では、2016年12月に改正割賦販売法が公布され、クレジットカードを取り扱う店舗では、ICカードに対応した決済端末の設置が求められているが、「安全な決済インフラの整備において、銀聯カードのICカード決済対応は急務であると考えました」と佐藤氏は話す。
銀聯カードのICカード対応では、オンラインPINであり、PIN入力も6桁のため、センター側の設定で苦労した。また、クライアント側の通信方式が独自となっており、「2年間掛けて作り込みました」と佐藤氏は打ち明ける。実現に向けては、NTTデータの協力を得られたことが大きかったという。
「2020年に向けて、海外のお客様にストレスのない決済環境を提供していきたいですね。来期は、1,000台の導入が目標であり、小規模なお土産物屋など、全国の幅広い店舗に使っていただきたいと考えています」(佐藤氏)
オムニチャネルに適した決済の提供が可能に
Alipayや非接触決済の対応を予定
ルミーズの「pCAT」は、すでに4桁の台数の導入実績を有している。佐藤氏は、「自動継続課金対応のmPOSとしては最も普及していると思います」と成果を口にする。加盟店は、利用者の名前やメールアドレス等の情報を入力し、カードをスワイプするだけで継続課金の登録が完了。初回のみ入会金の請求や、課金日・課金間隔も自由自在に設定可能だ。
また、ルミーズでは、対面に加え、非対面の決済処理事業者として累計5,500社への導入を誇るように、オムニチャネルに適した決済サービスの提供が可能であることも売りにしている。佐藤氏は、「対面、非対面が1つのデータベースで利用できる点は、弊社ならではの特徴となっています」と口にする。
「pCAT」の今後の予定として、2018年2月にAlipay(アリペイ)の対応を予定している。また、非接触IC(NFC)、QUICPay、iD、Apple Pay、他のモバイル決済サービスへの対応も進めていきたい考えだ。さらに、EC決済に関しては、すでに対応しているドコモケータイ払いに加え、他のキャリア決済への拡充、多通貨決済サービス(MCP)に対応する予定だ。