2019年2月8日7:00
ドイツのインフィニオンテクノロジーズは、フランス・カンヌで開催された「Trustech2018」において、スマート ペイメント アクセサリー(SPA)用の「SECORA Pay W」、ノルウェーのIDEX Biometricsと連携して提供する「生体認証機能付きカード」を紹介した。両製品は、進化するペイメントシステムにおいても優位性のある製品であるとしている。
導入後、カードメーカーなどはすぐにサービスを提供可能
「SECORA Pay W」は、すぐに使えるウェアラブルデバイス”を意識して開発したという。リストバンド、ブレスレット、指輪と入った小型のものに使用できる。また、小型でありながら、処理速度300ms以内という高速な支払いが可能だ。
EMVCoから認証を受けており、VisaやMastercardといった国際ブランドの認定も取得している。また、カードオペレーティングシステム、決済アプレット、アンテナを組み合わせて実装した製品となる。導入後、カードメーカーなどはすぐにサービスを提供可能だ。また、低コストで、決済や入退管理などの分野に活用できる。
コムダイレクトが決済アクセサリーを提供
すでにドイツのオンライン銀行であるコムダイレクト(comdirect)が、ワイヤーカード(Wirecard)とエクシートカード(exceet Card)の協力を得て、SECORA Pay W SPAソリューションを使った決済アクセサリーを提供している。
なお、「SECORA Pay W」以外にも、Visaおよび Mastercardブランドの決済カード向け「SECORA Pay S」と、複合アプリケーション、キャッシュカード、ホワイトラベル対応や入退管理といった拡張機能付きアプリケーション向けの「SECORA Pay X」がある。
生体認証機能付きカードはソシエテ・ジェネラルが採用
また、生体認証機能付きカードを開発。インフィニオンテクノロジーズ チップカード&セキュリティ EMEAリージョナルマーケティング ディレクターのEmmanuel Ventadour氏は、「カードはフランスの銀行であるソシエテ・ジェネラル(Société Générale)で2018年10月に採用されました」と説明する。
同カードは指紋認証機能が搭載されており、バッテリーレスで使用可能だ。また、300msよりも短時間でコンタクトレス通信が行われ、1秒以内の生体認証決済取引を可能にする。二段階で認証できるメリットを活かし、通常のコンタクトレスペイメントのリミット以上の金額でも支払いが可能だ。
指紋認証カードは世界各地で実証実験が行われているが、ソシエテ・ジェネラルが世界で初めて 商用化された事例であるとした。
※取材はフランス・カンヌで開催された「Trustech2018」のインフィニオンテクノロジーズブースにて