2020年1月31日8:25
近畿日本鉄道、三菱総合研究所、オムロン ソーシアルソリューションズ、chaintopeおよび近鉄グループホールディングスは、2020年2月17日~23日の間、ブロックチェーン技術とQRコード を活用したデジタル乗車券をスマートフォンのアプリ上で発行し、自動改札機で利用する実証実験を、近鉄難波線「近鉄日本橋」駅と近鉄大阪線「近鉄八尾」駅において、参画各社の関係者を対象に行うと発表した。
同実験は、総務省が行う「地域経済の活性化に資するブロックチェーン技術による情報の安全かつ円滑な流通及び『スマートコントラクト』による省力化等の検証及び社会実装に向けた調査研究」の一環として、ブロックチェーン技術がもつデータの信頼性や耐改ざん性といった特徴を活かし、セキュリティ面の強化のほか、顧客利便性向上や駅業務の効率化など、同技術の新たな利用可能性を検証するもの。
同実験で確立したデジタルチケット技術は、今後、鉄道をはじめとしたさまざまな分野に応用し、紙の乗車券や施設の入場券など各種チケットのデジタル化を推進するほか、スマートコントラクト機能を活かした省力化の実現、MaaSやデジタル地域通貨などと組み合わせた新たなサービスの創出など、ブロックチェーン技術の社会実装を進めていく。
将来的な目標として、「伊勢・鳥羽・志摩スーパーパスポート“まわりゃんせ”」等の企画乗車券をデジタル化したうえ、オンラインにて販売することで、購買にかかる利便性を向上させたり、インバウンド観光客でも簡単に購入できる環境を整え、販売チャネルを海外に拡大させていきたいとしている。また、企画乗車券やその他の鉄道乗車券をデジタル化することで、発券、改札、案内等にかかる業務の効率化にも期待している。さらに、現状の紙・磁気の乗車券で必要な業務コストを削減も挙げる。
そのほか、デジタル地域通貨「近鉄ハルカスコイン」「近鉄しまかぜコイン」等の決済機能と一体化させることで、発券、移動、施設利用から決済までの一連の旅行の流れを、スマートフォンでシームレスに完結できる可能性もある。また、移動、購買にかかるさまざまなリアルタイムデータを一元的に集約および分析し、新規需要の創出や地域全体の競争力強化・魅力向上に寄与する新たなサービスを実現させていきたいとしている。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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