フライトシステムコンサルティング、NFCやFeliCaに対応した「Incredist Trinity」など3機種を軸に展開

2020年3月3日8:00

モバイル型、据置型、自販機向けなど最先端の決済ソリューションを提供

スマートフォン決済の国内のパイオニアである株式会社フライトシステムコンサルティング(以下、フライト)は、タブレットでの決済を実現する専用アプリケーションと決済端末「Incredist Premium(インクレディスト プレミアム)」、オールインワンタイプ決済端末「Incredist Trinity(インクレディスト・トリニティ)」に加え、飲料自動販売機やホテル、病院など屋外の自動精算機向けの無人自動精算対応マルチ決済端末「VP6800」の3機種を軸に、最先端の決済ソリューションを提供している。タブレットによるモバイル型から据置型まで、多彩な端末を展開しているのが特徴だ。

フライト代表取締役社長の片山圭一朗氏

スマートフォン決済のパイオニア
NFCやFeliCaにモバイル端末で対応

フライト代表取締役社長の片山圭一朗氏は「私たちを取り巻く環境はiPhoneやWindowsタブレットに代表されるスマートデバイスの普及により劇的な変化を遂げています。私たちは国内で最初、世界では2番目にスマートフォン決済を始めました。これからも、先駆者としての気概を持って、新たなライフスタイルの創造に貢献していきたいと思っています」と力を込める。

フライトは、2010年9月から、国内初の iPhone や iPad をクレジットカード決済端末にする大企業向けソリューション「ペイメント・マイスター」を展開している。2013年には、クレジットカード、デビットカード、電子マネーなど多様な決済手段に1台で対応するマルチ決済端末「Incredist(インクレディスト)」の提供を開始した。

2016年には、2世代目となる、コンタクトレスEMVにも対応可能な「Incredist Premium(インクレディスト・プレミアム)」をリリースした。1世代目、2世代目を合わせたIncredist シリーズ累計で、10万台以上の納入実績を持つ。

マルチ決済端末「Incredist Premium」

アメリカ、台湾、ヨーロッパ、オーストラリアをはじめ、海外の多くの国ではNFC(Near Field Communication:非接触型決済)はごく一般的な決済手段になっている。2020年の東京オリンピック開催に向けて訪日外国人旅行客が急増する中、日本の小売業・サービス業にとって、NFC対応は必須の課題となっている。

一方、国内事情を鑑みれば、駅の改札口で交通系ICカードをタッチしたり、コンビニエンスストアで電子マネーを利用できる非接触ICカード技術方式「FeliCa」は、多くの消費者が使っているキャッシュレス決済の1つ。かざすだけで高速でデータを送受信し、データは何度も書き換えられ、カード本体を再利用できるエコロジーなシステムだ。厳重なセキュリティも実現し、公共交通機関の乗車券システムから、電子マネー、マンションの鍵まで幅広い用途で使われており、国内でビジネスを行う上でFeliCa対応は欠かすことができない。

フライトのソリューションの強みは、海外のコンタクトレスEMV、NFCとFeliCaを含む日本の主要電子マネーの両方に1台で対応する決済端末をモバイルで実現していることだ。

国内でも海外で浸透したコンタクトレスペイメントの普及が期待されるが、機能、価格ともに優れた「Incredist シリーズ」の登場が、加盟店での導入を後押しするに違いない。また店舗内だけに限らず、駐車場などの屋外でもクレジットカードの対応が急務の中、無人自動精算機向けマルチ決済端末「VP6800」においても、もちろんこうした磁気クレジットカード、接触型 IC によるクレジットカード(EMV)、日本の電子マネーという 3 種類の決済に加え、新たにコンタクトレス EMVにも対応している。

コンタクトレスEMV に加え、Apple Pay の支払いにも対応

次世代タクシー配車アプリ「MOV」で採用
亀の井バスはラグビーワールドカップを機に導入

「Incredist Premium」は、すでにディー・エヌ・エー(DeNA)が提供するAIを活用する次世代タクシー配車アプリ「MOV(モブ)」の車載器システムと連動したタクシーの車内決済システムとして、導入が決まっている。

「MOV」は、対応する乗務員専用端末とセットで、タクシーの配車をスムーズに行えるサービスだ。乗客はアプリで予想到着時間を事前に確認したうえで、指定の場所へタクシーの配車依頼を行うことができる。周辺を走行中のタクシーがリアルタイムで可視化されて表示されるため、空車走行中のタクシーを簡単に確認することができる。

DeNAは「MOV」の決済手段として、ネット決済のほか、社内で乗客のさまざまな支払い方法に柔軟に対応するため、コンパクト設計且つ高機能な決済端末である「Incredist Premium」と専用決済アプリである「ペイメント・マイスター」を導入し、乗務員のAndroid端末と連携することで、スムーズな決済を実現している。

また、フライトは、ビジネスの展開先として多店舗展開をしている大企業だけにとどまらず中堅・中小規模事業者向けにも展開を始めている。第一弾として、自由が丘の街を中心に各地の商店街連合会や各種団体と連携して決済代行事業を行っているJASPAS(ジャスパス)の株式を取得して資本提携し、中堅・中小規模事業者向けキャッシュレスソリューションを共同で展開している。

これまでフライトでは、大企業向けの決済ソリューションに特化して提案・販売活動を展開してきたが、昨今の急激なキャッシュレス決済の需要増大に対応するためには、特に中堅・中小企業向けにビジネス領域を拡大することが必要だと判断し、JASPASとの連携を進めている。

このほかの事例としては、亀の井バスの高速バスチケット販売窓口で「Incredist Premium」と「ペイメント・マイスター」が導入されている。今後、大きなキャッシュレス決済の需要増大が見込まれる中で、すでに、亀の井バスのチケット販売窓口には、NEC製のiPad POSが導入されており、同POSとアプリケーション連携が自動でできるフライトのソリューションが選ばれた。

亀の井バスが本社を構える大分県では、ラグビーワールドカップ2019日本大会において、準々決勝を含めた5試合が行われたため、各国の応援に訪れる訪日外国人向けのキャッシュレス決済を整備した。片山氏は「実際に、ラグビーワールドカップでの大分会場の盛り上がりは大変なものでした。大勢の外国人が訪れ、亀の井バスが搭載した非接触クレジットカード対応の決済ソリューションをスムーズに使う外国人観光客は多かったと聞いています」と話す。

カード会社との連携も進めている。フライトは、2018年5月に、三井住友カードとクレジットカードおよび銀聯カード、交通系電子マネー、iDに関する包括加盟店契約を締結した。取扱決済種別は、VisaとMastercardのクレジットカード(磁気、接触EMV、コンタクトレスEMV)、銀聯カード(磁気カード、接触EMV)、交通系電子マネー、iDだ。従来の同社電子決済ソリューションでは、決済装置および決済アプリケーションの販売、および同社決済ソリューションに関連する開発が主な収益となっていたが、これらに加え、三井住友カードと包括加盟店契約を締結したことにより、同社独自での加盟店開拓および同社決済ソリューションに対し継続的に手数料収入を得る新たな収益の柱が加わることとなり、収益力の強化につながっている。また、そのほかにもさまざまなカード会社とも連携を進めている。

タブレット不要な「Incredist Trinity」
オールインワンのマルチ決済装置

フライトでは、オールインワンタイプの決済端末「Incredist Trinity」を国内の急激なキャッシュレス決済の需要拡大に対応する戦略商品と位置付けている。「Incredist Trinity」は、タッチパネルとオートカッター付きプリンターを内蔵したオールインワンのマルチ決済装置で、磁気カードをはじめ、接触・非接触ICカードや、FeliCa電子マネー、銀聯接触・非接触など、多様なカード決済に対応する。また、カード情報を読み取った直後に暗号化してセキュアに、そしてスマートに決済を実現可能だ。更に特徴的なのは、バッテリー内蔵により据え置きだけではなく、テーブル決済などの持ち運びも可能になっている。またフライトの専用閉域網SIMを使用することで、コンサート会場など回線が混んでいるようなところでも安定した回線品質で決済を実行することができる。セキュリティはもちろんのこと、決済を取り巻く環境も含め安心・安全なソリューションをトータルで提供できるのもフライトの強みと言える。

タッチパネルとオートカッター付きプリンタを内蔵した、
オールインワンのマルチ決済装置「Incredist Trinity」

片山氏は「決済を取り巻く国内の動きとしては、小売業の改正割賦販売法への対応(PCI DSS準拠)が求められています。2019年はラグビーワールドカップが大いに盛り上がり、TOKYO2020も控えているほか、2025年には日本国際博覧会などの大きな国際イベントがあり、増加する訪日外国人の決済ニーズに対応するため、非接触クレジットカード決済(コンタクトレスEMV)は必須の決済手段になっています」と、「Incredist Trinity」を戦略商品と位置付けている理由について説明する。

「Incredist Trinity」には3.5インチTFTのカラー液晶が搭載され、指とスタイラスの双方が可能なタッチスクリーンを採用している。またプリンター機能としては、オートカッター付きのサーマル・プリンタを採用しているほか、既存のPOSとの連動が可能で、タッチパネルによる操作が感覚的にできるよう、わかりやすいデザイン設計になっている。「Incredist Premium」とつなぐことで、1台で多種多様な決済に対応するオールインワンの機能を手の中におさめることができる。

東京エレクトロン デバイス長崎が端末を製造
高い品質管理と安定供給を実現へ

フライトは、戦略商品のIncredist Trinityシリーズ(Incredist TrinityとIncredist Trinity Mini)について、2019年6月から国内製造に切り替えている。同社は従来から、主力決済端末については海外生産を実施してきたが、世界情勢の不安定化と製品のさらなる品質向上や安定供給を確実なものとするために、製造委託先を東京エレクトロン デバイスの子会社である東京エレクトロン デバイス長崎に切り替えて、製造を開始している。

片山氏は「競争相手であるエレクトロニクスメーカーも国内製造している分野で、メイド・イン・ジャパンの品質と供給のリードタイムなどで、同じ条件で競争したいと考えました」と国内生産の理由を述べている。

「Incredist Trinity Mini」は、マルチ決済端末「Incredist Premium」とセットで使用するLTE通信機能を内蔵したアプリケーションプロセッサとなる。改正割賦販売法対応として、すでにタブレットと「Incredist Premium」を持っている顧客に対し、安心・安全な決済環境を提供できるのが特徴だ。

LTE 通信機能を内蔵したアプリケーションプロセッサ
「Incredist Trinity Mini」

改正割賦販売法の期限は2020年3月から先送りになる方向だが、この法令に対応するには、タブレットなどの汎用機器を用いてクレジットカード決済を行う場合、OSのバージョンアップの管理やWi-Fiのロギング・監査など、PCI DSSにおける運用コストが膨大になるという課題を避けることはできない。

フライトでは、「Incredist Trinity Mini」を改正割賦販売法対応の切り札として位置付けている。「Incredist Premium」を使用している多店舗展開の企業に対し、比較的軽い負担で、法令に対応できる決済環境整備を提供するのが狙いだ。

具体的に言えば、顧客管理やPOSなどの日常業務では、タブレットを使用したまま行え、クレジットカード決済時には、「Incredist Trinity Mini」へ切り替えることで、業務のフローを大きく変更することなく、改正割賦販売法への対応を実現できる。

■お問い合わせ先
株式会社フライトシステムコンサルティング
〒150-0013
東京都渋谷区恵比寿4-6-1
恵比寿MF ビル3 F
e-mail:product@flight.co.jp

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