2020年6月1日7:00
NTTドコモは、場所を選ばずスマートフォンで顔認証による入退管理ができる、5Gにも対応したソリューション「Easy Pass powered by SAFRTM(イージーパス パワードバイセイファー)」を、2020年5月29日から法人向けに提供すると発表した。初期費用は不要で、認証管理用のID100件で225万円(税抜)からの月額利用料で利用できる。
「Easy Pass」は、専用アプリをインストールしたスマートフォンのカメラを入退場者の顔に向けると、登録された顔写真データとリアルタイムで照合し、入構許可者かどうか、入構済みかどうかの状態などがその場で確認できるソリューションだ。スマートフォンで認証できるため大がかりな工事は不要で、場所の変更にも対応できる。
利用シーンは、主に製造業、電気・ガスなど二次産業における工場、プラントでの入退管理を想定している。そのような施設では、広い敷地にバスや乗用車で入構し、入場ゲートで下車、入場登録、IDカードを提示するなど多くの時間を要する上に、IDカードの目視確認では人的ミスやなりすましなどセキュリティ上の課題もある。また、屋外の場合は認証機器の防水対策も必要で、導入までに費用や時間を要す。
「Easy Pass」では、ドコモのネットワーク内に設置したクラウド基盤「ドコモオープンイノベーションクラウド」上で、RealNetworks, Inc.のAI顔認証ソフトウェア「SAFR(セイファー)」と、オープン性が高く、幅広いメーカーのカメラなどとの柔軟な連携が可能なGenetec Inc.の入退室管理システム「Security Center Synergis」を統合して提供することで、簡易な操作と高精度な入退管理の両立を実現したという。両システムの統合は、ネットワンシステムズが実施している。
さらに、通信回線、スマートフォン端末、防水ケースなどもワンストップで提供することで、初期費用や導入までの時間が削減可能だ。また、「SAFR」の追加機能を組み込んだ場合、新型コロナウイルス感染予防などのためにマスクを着用したままでも高い認証精度を維持し、さまざまな業種、職種で活用できる。
なお、「Easy Pass」は4G(LTE)ネットワークでも利用可能だが、5Gの高速・大容量かつ低遅延なネットワークを利用することで、認証速度がさらに向上するという。また、「ドコモオープンイノベーションクラウド」で今後提供予定の「クラウドダイレクト」と併用することで、より高セキュリティな環境で使用できるとしている。
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ペイメントナビ編集部
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