2020年7月31日7:53
b8ta Japanは、2020年8月1日に日本初進出となる2店舗(新宿マルイ本館1階、有楽町電気ビル1階)を同時オープンする。同社では、7月28日にプレス向けに説明会を実施するとともに、店舗での出品商品ラインナップを紹介した。
145種類以上の商品が出品
b8taは2015年にサンフランシスコで創業。オンラインの出品と同じくらい気軽に、早く、安価にオフラインでの展開を実現できるプラットフォームだという。米国で23店舗、ドバイで1店舗を展開。海外では、Googleやソニーといった大手に加え、スタートアップ企業も出品している。
同社のミッションは、「リテールを通じて人々に“新たな発見”をもたらす。」ことだ。店内には、海外の最新ガジェットに加え、日本のモノづくりの技術を生かした商品、D2C ブランドのコスメ、ファッション、フードなど、145種類以上の幅広い商品が並んでいる。店舗を訪れた人は、実際に商品を手に取ることができる。また、実際に試して気に入れば、その場で購入できる商品もある。
また、他の出品スペースとは異なり、ブランドが独自に壁面装飾や什器等を設置することが可能な「エクスペリエンスルーム」も設置している。「b8ta Tokyo – Shinjuku Marui」には、ネットショップ作成サー ビス「BASE」を利用する加盟店が出品している。「b8ta Tokyo – Yurakucho」にはエクスペリエンスルームが三室あり、オープン時は、Google と、ホームセンターを運営する CAINZ(カインズ)の商品が並ぶ。もう一室はイベントスペースとして出品企業とのコラボイベントなどを開催する。
なお、テックアパレルブランドの「スタンプ(STAMP)」と、家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」とのコラボレーションも実施。また、b8ta の公式制服である黒のポロシャツに合わせ、FABRIC TOKYOがスタッフの公式ユニフォームのジーンズを手掛けている。
実店舗への出店を手軽に実現する包括的サブスクリプションモデル
b8ta Japan カントリーマネジャー 北川卓司氏によると、b8taに出品するメリットは、ブランド体験コストを最小化できる点だという。b8taは、「サービスとしての小売」である“RaaS(Retail As A Service)”というコンセプトを掲げており、実店舗への出店をより手軽に実現するための包括的なサブスクリプションモデルを採用している。
具体的には、1区画約60cm×40cmの場を出品者に提供する。出品料は月30万円前後で、最低契約は6カ月となる。出品者は期間中、最大2回まで展示品の変更が可能だ。日本での展開では、各店舗8名が担う。
例えば、店舗運営に必要な従業員の手配、トレーニングやシフト管理、在庫管理、物流サポート、POSは全て付帯サービスとして月額出品料金に含まれている。また、b8taでは、体験にフォーカスしており、商品の購買や決済自体には関与していないのが特徴だ。
出品者は、ブランドの世界観・イメージを維持した売り場づくり、体験を来店者に届けることができる。さらに、オフライン店舗のデータを活用したマーケティングが展開可能だ。
b8taのスタッフは、各ブランドから直接トレーニングの指導を受ける。また、販売を主目的にしない接客となり、顧客が店舗に来店する際は「こんにちは」からはじめている。
来店者の行動データを可視化
店舗のデモグラフィックカメラでは、入口で来店者の年齢層と性別を識別。また、AIカメラでは、店内の行動導線、立ち止まり率を測定している。さらに、b8taのスタッフが商品説明をした数といった定性的なデータを店舗にフィードバック。出品者はさまざまなデータをダッシュボードで確認し、販売戦略に役立てることが可能だ。
b8taが海外3拠点目に日本を選んだ理由として、北川氏は、①日本人がサンフランシスコの店舗に多く来店したから、②日本人のサービスに対する感度が高いため、アジア展開を視野に展開、③日本からの出資企業が見つかったから、という3点を挙げた。b8ta Japanには、丸井、三菱地所、カインズが出資しており、米国のb8taには凸版印刷が出資している。