2011年8月26日14:56
日本電気(NEC)は、2011年8月26日、ニチイ学館の協力のもと、介護施設のさらなる安全確保を目的に施設の入退場を自動的に検知し、事故を未然に防止する「施設入退検知ソリューション」の実証実験を開始すると発表した。
ニチイ学館は、介護事業を行っており、入居者の安全を確保し、その有する能力に応じ自立した日常生活を安心して送ることができるよう支援している。今回の実証実験は、NECの顔認証技術と行動検知技術を組み合わせた映像監視システムを活用しており、2011年9月中旬までニチイ学館の介護施設で実施する予定だ。
施設入退検知ソリューションは、顔認証技術と行動検知技術を組み合わせることにより、高い精度で、施設の入退出を管理することが可能である。NECの顔認証技術は世界第1位の認証技術を有するとの評価を獲得しているという。また、行動検知技術を活用することで、人物の移動方向を特定して誤報を抑えることができる。さらに、施設職員や入居者がICカードなどを携行する必要がないため、認証用端末の盗難や紛失、故意の取り外しなどの課題を解決し、簡易な運用が可能だ。
一般的に、顔認証技術や行動検知技術はカメラの性能により精度面で影響を受けることが多いが、同ソリューションは、カメラの設置場所や運用の工夫などにより、低価格な汎用カメラで精度の高い認証を実現するという。小型・軽量なカメラにより工事や運用も容易なため、システム全体の低価格化を実現した。さらに同実証実験を通じて、システムの基本性能を強化・拡充することで、設置環境の違いや運用方針の変更にも柔軟に対応する。
NECは、今回の実証実験の成果を活かして、今後、同ソリューションを強化・拡充し、介護施設や病院に加え、電力・ガス・水道施設などの公共インフラや工場内における管理業務や不審者の検出、さらには店舗内における顧客行動解析・マーケティングなど、さまざまな用途への導入を目指していきたいとしている。