2011年9月13日8:00
日本ランズエンドのCRM施策を公開
「ニュースレター」から“選びやすい”
“わかりやすい”“楽しい”を実現したECサイトに誘導
日本ランズエンドでは、2009年9月にECサイトの大幅なリニューアルを実施した。
リニューアルのコンセプトは“選びやすい”“わかりやすい”“楽しい”ECサイトを実現すること。
例えば、“選びやすい”という部分では、検索機能を充実させるほか、商品画像の拡大機能を付加。さらに、気になる商品を保存できる「Wish List」などの機能も追加した。
また、“わかりやすい”という点については、購買履歴の確認機能を付加したほか、キャンペーン価格やまとめ買い特典がショッピングバッグに反映されるようにした。
さらに、“楽しい”という部分では、クリエイティブ上でイメージの統一を図るほか、ECサイト限定の商品・キャンペーンの増加を図っている。
このようなリニューアルを行ったECサイトであるが、まずはサイトに来訪してもらわなければ、その真価を発揮することはできない。そこで、前述のニュースレターが、同社のECサイト誘導施策における重要ツールとして位置付けられている。
ニュースレターの配信頻度は週2~3回。ただし、登録会員全員を対象に配信する場合もあれば、特定商品・キャンペーンのターゲット顧客のみをセグメントして配信する場合もある。配信時間については、基本的に22時前後としており、不着が4回続いた場合はリストから除外するかたちだ。基本的にはPC向けのみの展開であるが、現在、2010年夏からの本格展開を目指し、モバイル販売のテストを行っており、ニュースレターについてもモバイル向けのテスト配信を行っている。
内容については、商品情報とキャンペーン情報を組み合わせたものが大半であり、特に「○○円OFF」や「送料無料」などの具体的なオファーを前面に出したものが多い。
クリエイティブについては、テキストメール希望者(1割未満)を除き、カラー画像を多用したHTMLメールとしている。画像については、米国本社と同一の画像データベース上からチョイスするかたちを採り、欧米的なセンスを打ち出している。
きめ細かいセグメンテーションで
コンバージョン率向上を図る
同社がニュースレターの効果最大化のために最も力を入れているのが、きめ細かいセグメンテーションである。
これは、属性情報と購買履歴が判明している実績顧客をターゲットとするものだが、例えば、メンズ向けで定番となりつつある「Xシャツ」の未購入者のみを対象に「当該商品の1,000円OFF」をオファーするメールを送信したり、男女別にコンテンツの順番を変えたりする試みを行っている。この結果、1回の配信について通常でも2~3種類、意図をもってテストを行うケースではターゲット別に10種類以上のメールを配信することもある。
そのほか、題名については、内容でも注力している「○○円OFF」や「送料無料」などの具体的なオファーに加え、「○○新聞で取り上げられた」など、限られた文字数の中で、受信者の興味を引く文言とすることを意識している。
また、クリエイティブについては、例えば男性向けには商品のバックグラウンドやストーリーを前面に出し、女性向けにはスタイリング提案を前面に出すなど、配信対象者ごとにアピールポイントを明確にすることで、コンバージョン率の向上を図っている。
※本記事はアイ・エム・プレス社発行の「CRM年鑑2010」に掲載された内容の一部をご紹介したものです。
「CRM年鑑2010―CRM&ダイレクトマーケティング成功事例集」の紹介ページ
アイ・エム・プレスの「CRM年鑑2010」では、CRM推進企業30社の(1)企業の概要、(2)CRMへの取り組みの背景、(3)顧客情報の収集・管理方法、(4)CRM施策の現況、(5)CRM施策の効果、(6)課題と展望がまとめられています。本記事では日本ランズエンドの(4)CRM施策の現況のみをご紹介しております。